図3-19のように,1人ずつ順番に絵を覚えて描き足していくというものである。前半は,とにかくワクワクしながら楽しんでいるといった様子だった。しかし,作戦タイムに入ると,それぞれのグループで様々な話合いが行われた。以下はその会話の一部である。 た。また,使うことのできる場所について,担任教員に相談するなど,子どもたちが見通しをもつことができていた。 図3-18は,第1回目から第3回目の話合い活動の後の振返りのアンケート項目を集計したものである。 ●道徳 「グループで協力して絵を完成させよう」 3回目の話合い活動とお楽しみ会の実践の間に一か月近く時間があることから,集団作りの一環として「人間コピー機」という体験教材を使い道徳の学習を行った。この学習のねらいは「絵を覚えて描く活動を通して,チームで協力する大切さを感じ,協力するためによりよい人間関係を築いていこうとする態度を育てる」ことである。図3-19はB校で行った活動のルールを図に表したものである。 小学校 特別活動 21 S1:わたしこのあたり見てくるわ S2:○○ちゃん最後にここ見てきて S3:ぼくここがいい S2:じゃあそうしよう S4:最後の人が本当にあっているか確かめたらいいやん S1:最後がんばってや S3:自信ないわ S2:それならわたし最後に行くわ S1:ひそかに二回見に行ったらいいやん S2:あかんて ルールはまもらないと S1:そやな それぞれが案を出したり,譲り合ったりしながら話合いが進んでいた。以下は他のグループの会話である。 1回目と2回目は,ほとんど変容は見られないが,3回目の後は特に,①②に大きな変化が見られた。みんなが議題を意識した結果,気持ちが一つになったと考えられる。 活動のルールをしっかり守っていこうという声をかけているグループもあった。活動が終わった後には,それぞれのグループの絵を比べ合いお互いによいところを言い合った。よいところを別のグループから言ってもらった子どもの中から「ありがとう」という声が聞こえてきた。 その後,グループでうまくいった理由やうまくいかなったところがあれば,どうすればよかったか話し合った。表3-5は,その際にグループで出た子どもたちの意見である 表 3-5 人間コピーをした後,話し合った内容 うまくいった理由のところで「協力したから」という意見がいくつかあった。担任教員が,協力の具体的な内容を尋ねると,「みんなで教え合った」や「みんなで工夫を考えた」など「みんな」という言葉がたくさん出てきた。また,今回はランダ ムに4人グループにしたため,特にリーダーを決めていなかった。そのことについて,リーダーを決めていなくても自然と進める人が出てきていたなどの意見が出てきた。次頁は,活動の最後に行った子どもの振返りの一部である。 最後の子どもは,みんなで協力して行動していくのが苦手な子どもであるが,みんなで協力する 図 3-18 学級目標達成度 図 3-19 人間コピー機のルール
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