図3-14と図3-15の達成度は,数字が高ければよくて,低ければ悪いというものではない。これにより,子どもたち自身で現状を見つめるきっかけを作るためのものである。 図3-13の内容は,行動目標をさらに詳しくして文章に表わし,個々が項目ごとに振り返ることができるようにしたものである。これらは,第1回話合い活動で子どもたちから出た意見や,担任教員の思いを基に作成したものである。 図3-14と図3-15は,みんなのアンケートの結果を集計し可視化できるようにしたものである。 図 3-14 学級目標達成度 以下は話合い活動の中での子どもたちの意見の一部である。 単にできていないことだけを伝えるのではなく,よりよくするためにどうすればよいか自分なりの意見を加えていく子どもが出てきた。自分たちで学級をより良くしていこうという姿が見られるようになった一方で,まだ話合い活動に受け身の子どももいた。 ●第3回「学級目標に近づくためにできることを考えよう」 第1回話合い活動で学級目標を振り返ってから二カ月がたつと,子どもたちの多くは,学級目標への意識が薄れてきているといった現状があった。また,前回の課題であった受け身である子どもをなくしていく必要があった。そこで,子どもたちがもう一度学級目標や行動目標を意識し,その達成に向けてできることを自分たちで考えるきっかけ作りが必要だと考えた。自分たちで学級の現状に見て,そこから課題を見つけるということが話合い活動や実践等の活動の原動力となると考えた。そこで取り組んだのが学級行動目標,学級目標達成度調査である。図3-13は,その調査内容である。 図 3-13 学級目標・行動目標達成度アンケート ・活動をしようと思っている人もいるけど,今日でなくてよいという人に流れてしまうから,みんなで話し合って活動の曜日を決めればよい ・遊びたい気持ちは分かるけど,係は毎日するわけではないから,自分たちで決めた曜日に活動ができるようにもう一度係で話し合った方がよい 小学校 特別活動 19 これらのグラフを事前に計画委員に示した。それにより,計画委員がある程度他の子どもたちの議題を予想することができ,子どもたち自身で活動を進めていけると考えられるからだ。計画委員から,このグラフを見て,「学級目標達成度は上がってはきているが,もっと上げたい」という意見がでた。 担任教員との事前の打ち合わせで,子どもたちが自分たちで学級目標を達成させていくという思いを大切にするために,事前の計画委員による話合いや学級での話合い活動の進行,実践等のすべての活動を子どもたちに任せてみることにした。また,この頃には,係活動での子どもたちによる自治的な活動が見られたり,話合い活動での計画委員の進行もずいぶん慣れてきたりしたこともあり,さらなるステップアップに必要だと考えたからである。計画委員の子どもたちによる事前の話合いでは,他の子どもたちにも達成度のグラフを見せて現状に気付いてもらい,その後学級目標の達成度を上げるためにどんなことができるのか,全員にアンケートをとるということに決まった。 このグラフから計画委員は以下のように提案した。図3-16は計画委員による提案の様子と,提案 内容である。 図 3-16 計画委員による提案の様子と提案内容 このようにしてみんなから集めたアンケートを図 3-15 行動目標達成度
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