001総教C030705H29最終稿(中澤)
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B校では,研究実践前に「お楽しみ会」を行った経験があるので,実践では,「学級目標を振り返ろう」の後に「係活動を見直そう」に入った。 決めての話合い活動に数回取り組んだことがあった。また,係活動の一つとして議長や副議長,書記といった計画委員の役割を担う「議長団」という係があった。夏休み前には「お楽しみ会」を企画し,議長団(以後は計画委員と述べる)が話合いを進めていた。ある程度の形式は理解しているが,子どもたちの力のみでスムーズに進むというまでには至っていなかった。 これらの状況から,「自治的な活動を育てるステップ」の第2段階と見取り,第3段階を目指したステップアップする取組が必要だと考えた。 図3-7は,「自治的な活動を育てるステップ」のB校の実態を表したものである。 図 3-7 自治的な活動を育てるステップ B校 図3-7のように,少しずつ担任教員の関わりを減らしていき,子どもの自由度を上げていくことがステップアップには必要だと感じられた。 B校の担任教員は,特別活動に力を入れて取り組んでおり,学級活動の経験も豊富だった。年度初めからある程度見通してステップを踏んで自治的な活動ができるように学級集団を育てていこうと考えを持って進めていた。そのため,B校においては,全体的な計画を事前に話し合って共有し,細かい進行を担任教員に任せて進めていった。話合い活動の進め方等の資料を用いて行うというよりも,担任教員の経験を生かし,担任教員が直接子どもたちに進め方等を指導しながら進めていくことにした。徐々に子どもたちに「任せていく」幅を広げていくことで,子どもたちの活動がさらに自治的なものになるだろうと考えた。 また,子どもたちの自治的な力を育てるためには,学級目標を共有する必要があることは前述したが,B校の担任教員の話から,子どもたちが学級目標をあまり意識できていないといった実態があった。そこで,学級目標を意識できるようにする取組も重点的に行うことにした。 以上より,B校では「話合い活動における担任教員の指導や支援と子どもたちの変容」,「学級目標を意識させていく取組と子どもたちの変容」の二点を中心に分析していくことにした。 図3-8は,B校で行った実践の内容である。 図 3-8 B校の研究の概要 表 3-2 第1回話合い活動の流れ 小学校 特別活動 17 ●第1回「学級目標を振り返ろう」 最初に行ったのは,学級開きの際に立てた学級目標をもう一度学級全体で共有することである。そのために,学級目標をもう一度振り返り,達成に向けての課題を話し合う活動を行った。その話合い活動では,子どもたちが学級目標達成に向けた具体的な行動をイメージできるように行動目標に表わした。 表3-2は第1回話合い活動の流れと進行役についてまとめたものである。 使い方等の説明をした。また,担任教員が進めていく中でも,次回から計画委員が進められるように,やってみせて,方法を学ばせていくような声かけがたくさんあった。 次頁図3-9は,第1回話合い活動の,担任教員による話や進行の時間と計画委員が進行し子どもたちが意見を出し合い話し合う時間の割合をグラフにしたものである。これは,活動全体から学級活動ノートへの記入時間を除いたものである。 図3-9のように計画委員はまだ話合い活動の進表3-2のように,「話し合うこと①②」の進行を計画委員に任せた。今回学級活動ノートを用いての話合いは初めてだったので,担任教員が

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