S1 :いつだれがどこで何をしたゲームがいいと思います。 T :なるほど 図 3-5 A校における話合い活動の様子 図3-5のように前回は実態把握のために計画委員だけを進行役にして話合いを進めさせたのに対し,今回は,机の並び方等を設定させて,計画委員が進行役となり実践した。それにより,子どもたちは話合いの形や流れを理解することができた。しかし,話合い活動全体としては,意見が滞るところや,担任教員に頼ってしまうところが多かった。 議題:自分もみんなも楽しめる係を決めよう 話し合うこと 1.係でどんな活動をするかを決めよう 2.自分が入る係を決めよう 3.自分もみんなも楽しめる活動内容を考えよう 図3-5は,前回の「学級目標を振り返ろう」の様子と,今回の話合いの様子である。 「お楽しみ会」に向けて,それぞれの係に分かれて準備を行った。一人何か一つは役割を担うようにした。当日は,話し合って決めた室内ゲームをみんなで楽しそうに行っていた。そして,終了後に議題を選び,話し合い,実践するという一連の活動内でどれだけ学級目標を達成できたかそれぞれが振り返った。図3-6は,それを集計し活動前と比べ,グラフにしたものである。 図3-6から分かるように子どもたちの学級目標達成度は,活動前よりやや下がった。振返りの際の子どもたちの意見を聞いていると,話合い活動の際にあまり意見が出なかったこと,お楽しみ以前みんなでやって笑顔になったからです。 S2 :ああ,やったことある T :反応する人いいですね 議長 :他にありますか (意見が出ない) T :同じ意見でも言っていいよ S3 :先生,最初決めていたものでなくてもいい? T :意見は変わってもいいよ 最初の方は,子ども同士のやり取りというより,担任教員と子どものやり取りがたくさんあった。分からないことを計画委員やみんなに質問するのではなく,担任に対して質問する場面も見られた。時間がたつにつれて,徐々に計画委員がリードしていくところも多くなってきた。 (中略) ●第2回 「係活動を見直そう」 1回目の話合い活動で,子どもたちは一連のSTPDサイクルについて理解はある程度できたが,計画委員は前回と違うメンバーということもあり,事前の計画委員の話合いについては,前回同様担任教員が進行しながら行った。その上で学級全体での話合い活動については,前回より子どもたちに任せる部分を増やすことを決めて実践を行った。 2回目の話合い活動は,前述のように話し合うテーマを前期の係を見直し,より充実した係活動にしていくために「係活動を見直そう」とし,担任教員から提案した。係活動の活動内容について詳しくは第3章第2節で述べていくので,ここでは話合い活動の様子のみを報告する。係活動のめあてについては担任教員が進行しながら学級全体で決め,話合い活動の議題や話し合うことについては計画委員の意見を聞きながら担任が進行し決定した。以下は,その際に決まった話合い活動の議題と話し合うことである。 その後,計画委員が学級全体に議題や話し合うことについて伝え,学級のみんなにどんな係があればよいかとその理由を学級活動ノートに書いてもらった。そして,話合い活動が進めやすいように担任教員の指導の基,事前に計画委員が出た意見をまとめておいた。 (係に分かれて) 会の準備や実践の際に担任教員に頼ってしまったところが多かったことが挙げられた。しかし,活動そのものへの満足度は高く,お楽しみ会をまた自分たちでもっと工夫してやってみたいという意見が出ていた。 担任教員は,自分も子どもたちも一連の流れが分かったので,もっと慣れていくことが必要だと感じていた。そのためには,子どもたち自身で話し合い,行動しやすい少人数での活動を取り入れていくことが効果的だと考えた。そこで,学級の課題であった係活動を見直すことを次のテーマとした。 図 3-6 学級目標 小学校 特別活動 14 達成度
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