001総教C030705H29最終稿(中澤)
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議題:18人みんなが笑顔になれる企画を考えよう 話合うこと 1. 企画の内容を決めよう 2.企画の準備の係を決めよう 図 3-4 自治的な活動を育てるステップ A校 T :今から15分くらいで話し合ってみよう S1 :あてていくってこと? T :まかせます S2 :何かある人 S他:・・・ S1 :ぜんぜんだめやん。どうする?多数決? S2 :あてたら? 代表委員もどのように進行していけばよいか迷いながら進めていた。意見がなかなか出ず,最後は意見を言ったものから座っていく方法になった。 終わった後の振返りでは,代表委員もそれ以外の子どもたちも自分たちで話し合っていくことの大変さを感想として挙げていた。その後,担任教員が話合いで出た意見をまとめて行動目標とした。 これらのやり取りをから,子どもと子どものつながりよりも先生対子どものつながりの方が強いことが見取れた。そのため,第2章第2節の「自治的な活動を育てるステップ」(p.10)の第1段階と見取り,第2段階をめざしステップアップする取組が必要だと考えた。 図3-4は,「自治的な活動を育てるステップ」のA校の実態を見取り,表したものである。 図3-4のように最初は教員が指導しながら方法を学ばせていき,少しずつ子どもたちの自由度を上げて,子ども同士の横のつながりを育んでいくことが必要だと考え実践を行った。担任教員自身も経験をつんでいく必要があったので,まずは担任教員や子どもたちが一連の活動の方法を学び,慣れていくというところから始めた。 話合いの最後に行った振返りの際に, 行動目標の中の「1.自分たちで話し合おう」に課題があるという意見がいくつか出ていた。担任教員との事前の打ち合わせにおいてもその部分が弱いことが分かっていたので,子どもたちが自分たちで考え,行動できるような「お楽しみ会」を企画することを次回のテーマとして子どもたちに提案した。 また,最後に話合い活動の仕方,一連の活動の流れなど他校の実践ビデオや資料を見ながら学び,次回の見通しが持てるようにした。 小学校 特別活動 13 ●第1回 「自分たちで考え,行動できる企画 を考えよう」 子どもたちは,議長や副議長といった役割を担う計画委員が進めていく話合い活動の経験がほとんどなかった。そのため,計画委員を輪番で行い,子どもたちが必ず何かの役割を体験することにした。計画委員の役割で決めたものは,議長・副議長・ノート書記各一名,黒板書記二名の計五名である。 担任教員との事前の打ち合わせで,第1回目の話合い活動は,STPDサイクルの一連の流れや話合いの仕方などを子どもたちが理解するということに重きを置き実践することにした。そこで,学級全体の話合い活動までの事前の準備においては,計画委員の子どもたちの意見を聞きながら担任教員で進行することにした。また,学級全体での話合い活動の進行に関しては担任教員と計画委員で事前打ち合わせを綿密に行い,資料を用いて計画委員が進行できるような手立てを立てることにした。 「学級目標を振り返ろう」の話合い活動の後に,「お楽しみ会」で「やってみたいこと」と「なぜそれをみんなでやりたいのか」というアンケートを行った。それを行った理由は,話合い活動において,単にお楽しみ会ですることを決めるだけではなく,お楽しみ会の目的に目を向けることができるようにするためである。アンケートでは,ほとんどの子どもたちが,学級目標である「笑顔」になることができるように○○をしたいと書いていた。そのアンケートを基に,計画委員と担任教員で話合い活動の議題と,話し合う内容を決めた。この進行は担任教員が行った。以下はその際に決まった話合い活動の議題と話し合うことである。 これらが決まると,担任教員が計画委員に学級のみんなに伝えるよう促し,計画委員がみんなに伝え,学級活動ノートに自分の意見を書く時間をとった。 学級全体の話合い活動では,議長や副議長は打ち合わせたことを基に資料を見ながら進めていった。また,黒板書記は教員のアドバイスのもと板書していった。以下は,話合い活動が始まったときのやり取りの一部である。 3.笑顔になれる工夫を考えよう(係に分かれて)

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