001総教C030705H29最終稿(加藤)
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数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き,進んで生 活や学習に活用しようとする態度を育てる。(18) 算数科の学習では,提示された問題をいかにして解決していくのかを中心に据えて学習を展開する。算数科の学習を展開する上で,G.Polyaは次のような問題解決の過程を挙げている(19)。 ①問題意識をもつ。 ②解決すべき問題を発見し設定する。 ③問題を解決する。 ④問題の解法や解答を検討する。 ⑤新たな問題意識をもつ。 算数的活動を通して,数量や図形についての基礎的・基本 的な知識及び技能を身に付け,日常の事象について見通しを もち筋道を立てて考え,表現する能力を育てるとともに,算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き,進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる。(17) 図2-1 社会科の学習過程 対する予想・仮説を立てる活用場面が設定され,その予想を検証する過程で新たな知識を習得する。その知識を次の学習の予想・仮説で活用したり,身に付けた技能を活用して調べたり,その結果新たな知識を習得したりする,といったように,毎時間の学習の中でも習得a・活用aのサイクルが展開され,基礎的な探究を深めていく。さらに,社会的事象の意味を理解するにとどまらず,学んだ知識を実生活・実社会の中で活用することを目指す。実生活に即した場面で習得した知識を活用することで,子どもたちが社会で生かすことのできる思考力を高めたり,実社会で生かそうとする態度を育んだりすることができるからである。現行の学習指導要領解説には,態度に関する目標として,自覚,誇り,愛情,関心といった行動や実践を示すものではなく,子どもの内面に根差した情意的なものを育む必要性が示されている(16)。 さらに,新学習指導要領では,社会的事象の意味を多角的に考えるとともに,社会にある課題の解決に向けて自分の関わり方を選択・判断したりすることや,よりよい社会を考え,主体的に問題解決をしようとしたりする態度を育むことがより明確に示されている(17)。学習して習得した知識を基に社会的事象の意味について考察するとともに,その知識を基に,社会の未来を志向したり,対立する社会論争問題等に対して意志決定をしたりと,構想することが求められている。 社会における疑問や問題を子どもたちが自分事としてとらえてその問題を追究し,社会的事象の意味について理解を深めていく。その知識を活用する場面として現実社会の課題解決について考えたり,より広い視野から考えたり,合意形成に向かったりする場面を単元の中に意図的に位置付ける学習が社会科における探究的な学習である。 (2)算数科における探究的な学習 現行の学習指導要領では,算数科の目標は次のように示されている。 小学校 学習指導法 5 G.Polyaはある与えられた数学的問題を解決する過程として,このような問題解決の過程を示している。G.Polyaの問題解決には,集団解決など組み込まれていないプロセスもあるが,現在の算数の学習はこの考え方に立脚して展開されている。 一方,小山はこのような問題解決を狭義の問題解決としている(20)。その狭義の問題解決に対するものとして,小山は広義の問題解決の必要性を示し,次のような過程として整理している(21)。 G.Polyaの問題解決と比較すると,小山の示す広義の問題解決には狭義の問題解決にはなかった視点が入っているのがわかる。狭義の問題解決のプロセスは広義の問題解決のプロセスの③④の部分のみからなっていることも見てとれよう。そこでG.Polyaの狭義の問題解決のプロセスを,広義の問題解決のプロセスの中に組み込んだものとして考える。狭義の問題解決のプロセスを組み込んだ広義の問題解決を,単元を通じて展開していくことで様々な法則や概念を習得するとともにその理解を深め,それを活用して問題の解決を図ることで,さらに理解を深めることができるようになる。 さらにPISA調査では,生徒が現実生活の問題を解決するために使用する基本的なプロセスを数学化とし,次の5つの段階で示している(22)。 ①問題を理解する。 ②計画を立てる。 ③計画を実行する。 ④振り返ってみる。 ①現実に位置づけられた問題から始めること。 ②数学的概念によって問題を構成し,関連する数学を特定すること。 ③仮説の設定,一般化,定式化などのプロセスを通じて,次第に現実を取り除くこと。それにより,状況の数学的特徴を高め,現実世界の問題をその状況を忠実に表現する数学の問題へと変換することができる。 ④数学の問題を解く。 ⑤数学的な解答を現実の状況に照らして解釈すること。これには解答に含まれる限界を明らかにすることも含む。

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