上記の内容を踏まえ,下図3-10のような単元 ②数直線を用い, 分母の異なる分数の大きさを比 べる。 分数は,元の分数と同じ大きさを表すことを理解すること。 エ 分数の相等及び大小について考え,大小の比べ方をまとめること。 オ 異分母の分数の加法及び減法の計算の仕方を考え,それらの計算ができること。 ○分数の相等及び大小について考え,大小の比べ方をまとめること。 ○一つの分数の分子及び分母に同じ数を乗除してできる分数は,元の分数と同じ大きさを表すことを理解すること。 ①日常の生活場面で分数を使用する場面をとらえ,単元末の問題を解決するための学習の見通しをもつ。 ④分母の等しい分数をつくり,大小比較をする。 ⑤最小公倍数で通分することを知る。 ⑨単元の活用問題に取り組む。 ⑩教科書のまとめの問題に取り組む。 ○異分母の分数の加法及び減法の計算の仕方を考え,それらの計算ができること。 ⑥真分数の異分母のたし算の仕方を考える。 ⑦真分数の異分母のひき算の仕方を考える。 ⑧様々な異分母のたし算・ひき算の計算をする。 …基礎的な探究 …発展的な探究 小学校 学習指導法 23 を構想した。 ②数直線上に並 んだ分数から,同じ大きさの分 数を見つける。 ②分母の異なる同じ大きさの分数 のつくり方を考える。 ③等しい大きさの 分数は,分母をなるべく小さく することを知る。 …学習指導要領の内容 図3-10 「分数(1)」 単元構想図 ア 主体的な学びを目指して <問題意識の醸成> 本単元では異分母の分数の大小比較や計算の方法などについての理解を深めることを目的としている。 しかし,子どもたちが異分母分数を普段の生活の中で利用する場面はなかなか見出すことができない。また,どのような学習をするのか,単元を通じた見通しをもつことが難しい単元でもある。そこで,子どもたちが異分母分数について見通しをもって取り組むことができれば,より主体的に学習に臨むことができるのではないかと考えた。 本単元では学習指導要領に記載されている内容を踏まえ,発展的な探究の活用問題を最初に提示することとした。これまでの学習で解くことができる問題と比較することで,今後どのような学習をしなければならないのか,子どもたち自身が見通しをもち,学習の必然性を意識することができるように意図した。 図3-11は第1時に子どもに提示した単元の導入の問題である。 図3-11 「分数(1)」 導入問題 日常生活に見られるような場面を意識し, 問題を設定した。箱の大きさに対し,ア・イ・ウのそれぞれの荷物が入るかどうかを辺の長さを計算して求めることで結論を導くことができる。子どもたちは箱に荷物を詰めることができるという結論を導き,その考え方を順を追って説明することができた。整数を用いて考える問題であり,ほとんどの子どもが時間の中で自分の考えをまとめることができた。箱の中に荷物を詰める,そのためには箱の辺の長さと詰める荷物の辺の長さがわかればその長さを足したり引いたりしながら結論を導くことができる。実際にそのような視点から子どもたちは問題を解くとともに,図や式を用いながら説明をすることができた。 次に,同じような宅配便の問題として次頁の図3-12の問題を提示した。 宅配便で箱にア・イ・ウの荷物を詰めて送りたいと思います。そこでア・イ・ウの荷物の入った箱を一つの箱にまとめて入れようと思います。右の箱に全部まとめて入れることができるでしょうか。ただし,ア・イ・ウの箱は重ねないこととします。
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