001総教C030705H29最終稿(加藤)
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A 数と整数 (4)分数についての理解を深めるとともに,異分母の分数 の加法及び減法の意味について理解し,それらを用いることができるようにする。 しまう。もちろん簡単すぎるような問題であっては,単元末のこの時間に設定する必然性はない。子どもたちのこれまでの授業の様子や振返り等を吟味し,問題をこのまま提示するかどうか担任とも話し合った。その結果,一方のクラスではこのままの問題を提示し,もう一方のクラスではcmの単位を全てmに統一して問題を提示することとした。これまでの学習を通じ,1㎡が何㎠であるかを考える学習や,単位を変える問題についての振返りなどで,一方のクラスの子どもたちが難しさを感じていることを見取ったためである。しかし,全ての単位をmに直した問題は,面積を計算で求めるだけの活用問題となってしまい,単位の意味を考えて問題を解くという視点を設定することができず,発展的な探究における活用問題として適当とはいえない。そこで全体で面積を算出したのち,二つ目の問題として全てを㎝に直して改めて同じ問題を解き,どちらがより適切な単位であるか,その理由を考える,説明することで活用問題としての内容を充足させようと考えた。 実際に子どもたちが活用問題を解いている様子を以下に示す。 C1 (アイの)400㎝は4m。 T 400㎝を4mに変えたんやな。 C1 (アシの)200㎝もmに単位を変えます。 面積は縦×横で4×2=8 4-2=2だから(サコを一辺とする正方形が)2×2 =4 こっち(の長方形)も4×2=8 次に(長方形ウエオカは)2×4=8 8が3つあるから8×3=24 24+4=28になるので28㎡になりました。 T 線を引いて分けるバージョンやね。8×3もいいね。同じ8という面積が3つあったからということでしたね。 C2 ほとんど同じや。 C3 ちょっと違う。 C4 ここ(ウカ)で分けました。 下の面積を最初に求めます。400㎝を4mに変えて,2×4=8で,ここ(長方形ウエオカ)の面積がわかりました。 次に上のこの部分(イキ)は4+1+1=6 縦が4で,横6で4×6=24 今はここの部分(正方形シサコケ)はないから 2×2で4 24-4=20 上(の面積)と下(の面積)を足して20+8=28 答え28㎡です。 T これはどんな考え方? C5 線を引いて分けるバージョン? C6 大きい長方形から小さい長方形を引く。 C7 (2つのやり方を)組み合わせている。 T 線を引いて分ける大きい長方形をつくってひくバージョンを組み合わせて考えているね。 C8 まだまだあります。 T いろいろな考え方を見てきましたがどうですか。 C6 C2のやり方が一番いい。 T どうして? C6 一番計算が簡単でスマート。 (中略) 小学校 学習指導法 22 次にA校における実践である。小学校第5学年の単元「分数(1)」の学習における実践である。 本単元における学習指導要領の記述は以下のとおりとなっている。 <中略> とめること。 れらの計算ができること。 T いろいろな考え方を見てきましたがどうですか。 C6 C2のやり方が一番いい。 T どうして? C6 一番計算が簡単でスマート。 子どもたちは二つの単位からより適切に表現できる単位を選択して単位を直し,さらに既習の複合図形の面積を求める考え方を生かしながら活用問題に取り組んでいる様子がうかがえる。分割して考える方法や,全体からひいて複合図形の面積を求めるという習得した考え方を用い,自分でその手法を選択しながら解決に向かっている。さらに,数値をそのまま使用するのではなく,教室の面積という視点からより適切な単位を選択して統一し,それから面積を求めるというプロセスを経たことも確認できる。これまでに基礎的な探究で身に付けた習得Aを適切に活用している。学習内容である二つの視点をこの活用問題で生かすことができた。また,多様な考え方があるとわかった上でどのような考え方がよりよいのか,子どもたち自身が判断しており,習得した知識・技能を適切に活用することができたと考えられる。子どもたちの振返りには次のような記述がみられた。 ・ややこしくて複雑な面積はたくさんやり方はあるけれど, よりスマートで簡単な方法をもっと見つけ出したいです。 ・たくさんいろいろな考え方があり,自分が一番やりやすく て簡単な求め方を探してすぐ求められるようになりたい。 単位をそろえて考える大切さに改めて気付いた子や,ただ解くだけではなく,より簡単に考えることができるようにするためにはどうしたらいいのか,追究意欲がより高まっている子どもの様子がうかがえた。子どもたちが基礎的な探究で身に付けた習得Aを発展的な探究における活用Aの場面で適切に生かすことができたといえる。 (2)第5学年の実践から ・単位が違ったときは,一回わからなかったので,同じ単位に戻してから計算すると解けました。また同じような問題が出た時間違えないようにしたいです。 ウ 一つの分数の分子及び分母に同じ数を乗除してできる分数は,元の分数と同じ大きさを表すことを理解すること。 エ 分数の相等及び大小について考え,大小の比べ方をまオ 異分母の分数の加法及び減法の計算の仕方を考え,そ

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