…学習指導要領の内容 図3-8 「面積」 単元構想図 めることで,1㎡という単位を用いて考えるよさを実感することができた。子どもの振返りには,実際に自分たちの教室を測った実感と,㎡の単位を用いて広い面積を求めるよさを実感したという記述が多く見られた。さらに1㎡を用いるよさを実感するだけではなく,このように実際に求めて考えたことにより,必要な単位を使い分ける,という視点をも獲得することができた。 また,本単元ではこのほかにも面積を実際に測る活動を適宜設定した。表3-1はその時間と活動 T 教室の面積を求めてみてどうでしたか。 C (式に表して計算して求めると)0が多くてとても大変 B 量と測定 (1)面積について単位と測定の意味を理解し,面積を計算によって求めることができるようにする。 ア 面積の単位(平方センチメートル(㎠),平方メートル(㎡),平方キロメートル(㎢))について知ること。 イ 正方形及び長方形の面積の求め方を知ること。 でした。 C 0が多くてなんだかわかりにくい。 T そうですね,たしかに0が多いですね。 C 実際にものさしを使って縦と横の長さを求めたけれど,㎝だと数が多くて大変でした。 C ものさしを何度もつないだりするもの大変でした。 小学校 学習指導法 20 ○面積の単位(㎠,㎡,㎢)について知ること。 ①広さの比べ方を考え,数値化して示す方法のよさに気付き,広さの表し方や求め方を考えていく単元の学習課題をとらえることができるようにする。 ②面積の定義を知り,㎠の単位を知るとともに,方眼紙上の面積を求めたり,指定された大きさの面積を作ったりする。 ⑤それぞれの教室を測る活動を通して㎡の単位を知るとともに,面積の公式を活用して㎡単位の長方形や正方形の面積を求める。 ⑥㎡と㎠の単位の相互関係を理解するとともに,長さの単位が異なる長方形や正方形の面積を求める。 ⑦教室の面積の広さの違いを調べたり,学校の様々な場所の面積を調べたりする。 ⑧面積の単位㎢を知り,大きな長方形や正方形の面積を㎢で求めたり,㎢と㎡の単位間の関係を理解したりする。 ⑨面積の単位a,haを知り,aやhaを単位にして面積を求めたり,a,haと㎡の単位間の関係を理解したりする。 ○正方形及び長方形の面積⑩単元の活用問題に取り組む。 ⑪教科書のまとめの問題に取り組む。 …基礎的な探究 の求め方を考えること。 ③長方形や正方形の面積を求める公式を見出し,面積を求める。 ④複合図形の面積の求め方を考える。 …発展的な探究 第2節 算数科における実践 (1)第4学年の実践から まずはA校における実践である。小学校第4学年の単元「面積」の学習における実践である。 本単元における学習指導要領の記述は以下のとおりである。 上記の内容を踏まえ,右図3-8のような単元を構成した。 ア 主体的な学びに向けて <算数の有用性の実感> 生活場面に見られる様々な面積を求めることで,学習したことが実生活に結びついている,実際に生かすことができる,と子どもたちは学びの有用性を実感できると考える。本単元では子どもたちが身の回りの面積を実際に求める場面を意図的に多く設定することで,実感したり学習した知識・技能を生かしたりすることができるようにした。 第5時では,実際に自分たちの教室の面積を求めた。これまでの学習で習得してきた㎠という単位だけでは適切に測ることが難しかったり,大きさを適切に把握することが難しくなったりするため,㎡という新しい単位について学習する。しかし,ただその単位を知識として知るだけではなく,実際に自分たちの教室の面積を図る活動を通じ,新たな単位の必然性を認識することを目指した。 授業では,実際に子どもたちが自分たちがもっているものさしを用いて教室の縦と横の長さを測る中で,㎠で考えることの難しさ,計算の際の手間,数値の複雑さ,手間を感じ取る姿が見られた。 そこで1㎡の単位を提示し,これまでに考えてきた方法にとって代わるやり方で教室の面積を求
元のページ ../index.html#22