I0101 報告588 平成28年度,全国の公立小中学校で通常学級に在籍し,通級指導を受けた児童生徒が9万8000人を超えたことが発表された。この人数は調査を開始した平成5年以降23年連続で増加しており,特に平成18年からLD等通級指導教室対象となったADHD,LD,自閉症,情緒障害の児童生徒数は,近年飛躍的に増加している。本市においても同じ傾向が見られ,これらの困りを抱えた児童へのよりよい指導について実践と研究を進めているところである。 そこで,本研究では特に小学校のLD等通級指導教室におけるソーシャルスキルトレーニングに焦点を当て,児童の実態把握や評価のあり方,スキルの日常への般化のための支援の方法などについて,在籍学級や家庭との連携や指導形態に焦点を当て実践・考察した。 その結果,実践の中のそれぞれの取組を通して,児童が主体的に取り組む姿が見られ,それに伴って今回作成したソーシャルスキルチェック表による評価においても成果が表れた。その他付随する複数の研究成果も見られたが,一方でLD等通級指導教室での指導形態に関わる課題も明らかになった。 -学級や家庭と一体となって行うLD等通級指導教室におけるSSTの取組- 馬場 啓輔(京都市総合教育センター研究課 研究員) 困りを抱える児童生徒への効果的なSST(1年次)
元のページ ../index.html#1