001総教C030705H28最終稿(高橋)
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図4-1 各校の情報モラル学習の発信 (ホームページ) 図4-2 学年通信での発信 おわりに ことをめざして の思いからだと考えられる。 図4-2は,B校1年生の学級通信に情報モラルに関する内容を掲載したものである。 今後,学校の情報モラル教育が充実していったとしても,保護者啓発は欠かせない。そういった意識に先生方が自ら向かわれたことは,研修会で児童の実態把握から授業を行ったことの成果であ ると考えている。 (20)小学校 情報教育 30 図4-1第4節 情報モラル教育が学校で進められていくのように,先生方が情報モラルの学習について発信した目的は,子どもの学習の様子を保護者に知ら せたいと 各学校で計画した授業内容は,情報モラル教育の分野・領域に偏りがみられた。それは,実態から考えるということで,倫理や安全への知恵に傾倒しがちになった。しかし,今回あまり扱われなかった分野・領域である「法の理解と遵守」などは,「倫理」や「安全への知恵」に含まれてくる内容でもある。何年か授業を進めていく中で,六年間を通しての指導内容が整理されていくことが必要であるだろう。それなら,はじめから整理した項目で,六年間の指導計画を作成し,実行すればよいという考えもあるかもしれない。しかし,情報社会の進展によって取り扱う内容はどんどん変化する。時代に合わせて作られた教材は,今すぐ役立つものであると同時に,翌年には教材として古さを感じる内容になることが起こり得る。だからこそ,情報モラル教育では特に,流行を敏感に感じ取り,指導に生かしていこうとする姿を学校全体で作っていく大切さを感じている。 図4-2には,ICT機器の活用実態と,授業参観での内容と,家庭での役割を知らせている。 A校のある先生が,「他校の先生に,情報モラルの授業を教えてと言われたら,教材を伝えることよりも,今回行った研修の流れがあって授業に結びついたと言います。」と,話してくれた。本研修を一回行っただけで,情報モラルが充実する訳ではない。しかし,情報モラルの授業を行っていくための始まりを見出せる機会を学校全体でもつことが,情報モラル教育の指導を充実させていく一歩になると考える。 また,両校共に参観日に合わせて,三学年が情報モラル学習を公 開した。授業の様子を実際に参観してもらうことで,家庭での話題にもなりやすく,保護者間での情報交換にも一役買う機会となる。現時点では,学校外でインターネット通信にふれている機会が圧倒的に多い。そのため,情報モラルをどこまで理解しているかは,各家庭によって大きな差が出ている。子どもたちは家庭によって使用開始時期も頻度も異なる。参観日に実施することは,保護者が情報モラルに関する指導内容を知る機会になり,子どもたちが学んできたことを家庭で知ってもらうことが保護者啓発につながっている。 本研究では,情報モラルに関する指導の充実をめざして,先生方が児童の実態から課題を見出し授業に取り組む一つのモデルとして,校内研修会から授業に結びつく実践に臨んだ。 本研究の主旨を理解し,協力してくださった京都市立竹田小学校と京都市立池田小学校の校長先生と協力員の先生をはじめ,児童実態調査や校内研修会に参加し授業実践に至るまで,全面的に協力してくださった両校の教職員の皆様に心から感謝の意を表したい。また,情報モラルの授業をいきいきとした表情で受ける様子を見せてくれた,研究協力校の子どもたちにも,感謝したい。 (20)京都市立竹田小学校http://cms.edu.city.kyoto.jp/weblog/index.php?id=115001&type=2&category_id=1978 2017.3.3

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