001総教C030705H28最終稿(高橋)
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ICTICTICT教材に出てきた通りの特性の理解危険回避の意識大人と「○○使うしない」教材に出てきたの特性を生活と結びつけて理解危険回避の意識大人に相談「○○しない」有効活用の意識「○○したい」教材に出てきた危険回避のの特性を意識自分に置き「○○換えて理解したい」自分でうまく使えるようになりたい低学年中学年高学年の【1年】 ・ウイルスが入るとコンピュータがこわれる ・中に入っている大事な写真が出てしまう ・大人とする ・わからないまま使わないで,大人に聞く ・無料のゲームなら使ってよいと思っていた ・ルールを守りたい 【2年】 ・個人情報はインターネットだけでなく,直接聞かれても,電話やはがきで聞かれても,簡単に教えてはいけない ・個人情報が出たら,迷惑なことがおこる ・だまされることがある ・一人でしない,大人とする ・そういうことがあるのだと思った 【3年】 ・ゲーム機でID・写真の交換をしない ・ネットゲームがおもしろくてやめにくくても,やめなければいけない ・使いすぎて目が悪くなる,学校で眠たくなる ・ルールを守る,ルールを作る(時間) ・大人に相談する 【4年】 ・顔の見えない相手を信用しない ・安全に使いたい ・作品には作った人の権利がある ・他の人の作ったものに対しての取り扱い (A校はゲーム機の使用が100%であったので,これまでの自分の使い方を振り返っている記述が多く,特にフレンドのことと置き換えていた)【5年】 ・スマートフォンもゲーム機でも同じことがおこりえるという理解 ・SNSでのやりとりをうまくするために ・友だちとの関係(相手のことを思いやる,待つ)・家庭のルールを優先して,上手く友だちとつながりたい 【6年】 ・SNSのやりとりの中でも,特に写真の扱い方(自分での扱い方と,自分の写真の扱われ方) ・自分のSNSの使い方 ・友だちとトラブルにならないように使いたい三つ目は,授業を行うことで,事前の実態調査 以上に,子どもたちの発言やつぶやきから,より正確な実態がわかってくるということである。授業を行うことで,より新しい実態が把握され,次の授業実践へとつながると考えられる。 (2)子どもたちの姿 表4-1は,以下は両校の子どもたちのワークシートの主な記述から,学習の捉え方をまとめたものである。 表4-1 学年による学習の捉え方の変容 1.ホームページでの発信 2.学級通信での発信 3.参観日での授業実施(26学級中13クラス) 小学校 情報教育 29 表4-1から,低・中・高学年の発達段階によ って「ICTの特性の理解」,「危険回避の意識」,「ICTの使い方」について傾向が見えてきた。 低学年では,教材の世界にそのまま入り込み,自分に置き換えずに,その状況で考えていることが多い。動画教材は見たままを素直に受け止め,「困ったことが起こるから○○してはいけない」と理解している。そして,「大人と使えば,大丈夫だ」という認識が強かった。これは,先生方がねらいとしていたことでもある。 中学年では,低学年と少し違って,自分の生活と似ているところを見つけて考えていた。実生活が見えている分「○○しない」という判断ばかりでもなく,「○○したい」という判断も出始めている。また,大人と一緒に使うことよりも,「大人に相談する」というところも,低学年と違って,自分で使っていきたいという意識の表れが見られた。 高学年では,スマートフォンを使用している子どもたちもそうでない子どもたちも,自分に関係があることとして捉えていた。友だちとのよりよい関係作りが優先され,大人に意見を求めるということよりは,「自分でうまく使うために,よく考えて使うことが大事」ということが,多くのワークシートから読み取れた。 これらのことから,学年が上がるにしたがって,情報活用の能力を意識していくことがわかった。 授業後すぐ子どもたちに,実践の機会があるとは限らないが,授業で考えたことを積み重ねていけば,情報社会に参画する態度が育成される。 一回の情報モラル学習で,ICTの特性やネットワーク社会のことなど全てがわかるわけではない。思考したことを基に,その時が来たらこうするという実践意欲を持つことである。どの学年であっても,情報モラルについて思考することを繰り返して,モラルを身につけていくのではないだろうか。 第3節 校内研修会から授業実践後の姿 研修会実践後,保護者啓発の意識につながったと考えられる取組について述べる。 次頁図4-1は,情報モラル学習の取組について,学校ホームページに掲載しているものである。

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