001総教C030705H28最終稿(高橋)
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・実態から,指導案や教材を探す方法やポイントを知れたので,今後に活かせそうだと感じました。 ・教材が,こんなにあるなんて知らなかった。 ・こんなにあるなら,次回に授業を行う時も見つけられそうだ。 ・短いアニメーション教材があるので,これなら低学年も使える。 実態調査結果からは,子どもたちの客観的な事実を知ることができる。その事実から考えた課題は,子どもたちにつけたい力として具体的であった。また,そういった視点で教材を探した経験は,授業実践へとつながりやすいことがわかった。 よって,児童の実態調査は,情報モラルの授業を考えるにあたって効果的に結びついたといえる。 <計画した各学年の授業内容の教材選択> 情報モラルの授業を考えるときに「どんな教材があるのか」「参考にできるものが欲しい」ということが,事前にわかっていたので,教材リンク集と指導案フォルダを用意し,教材選択するときに,使用してもらった。以下に,校内研修時の会話の一部を示す。 多くの教材や集中力の途切れにくい短いアニメーションがあることがわかり,低学年なので情報モラルの授業をどう進めればよいのだろうと思っていた教員も,実際に教材を前にすると,取り組みやすいものがあることに気がついた。 しかし,41のリンク集と13の指導案を参考教材に提示したことで,「ありすぎてわかりにくい。効率的に探したい。」という意見も出ていた。多く提示しても,限られた時間で探すため,領域や分野などを見て,その教材のねらいが一目にわかるものが好まれた。また,教材に動画やアニメーションがあることは選択されやすい点であった。教材選択の優先順位は,指導案がついていることよりも,子どもたちにわかりやすい教材で,指導したい内容が入っていることであった。 結果,選択された教材は全て,動画やアニメーションつきのものであった。先生方自身がわかりやすかったことで,「これは子どもたちにわかりやすい」と,受け入れられたと感じる。 さらに,先生方は教材の対象が上の学年であっても選択する傾向が見られた。教材によっては,作られたときと現在では,社会の様子が変化し課題が低年齢化したものがあると考えられることと,ねらいをもって使用すれば見せ方の工夫次第でわ かりやすい教材になることがわかった。 また,教材を選択しながら,先生方は同時に授 業の流れを考えられていた。短時間の活動で,略案までは作れなくても,どのように授業を行うかという,授業メモは充分に作成でき,授業実践の準備に役立っていた。 第2節 情報モラルの授業実践から見えたこと 情報モラルの授業実践で,先生方が授業を行って感じたことや,情報モラル学習について,子どもたちの学習の捉え方をまとめたものから述べる。 (1)教員の姿読字・書字」のつまずき把握と 授業実践後に,多くの先生方から聞き取りをした中から中心的な内容を示す。 一つ目は,動画教材は先生方の授業への負担感を減らすということである。何人もの先生方が,動画やアニメーション教材があることで,授業に向かう安心感が違うと述べていた。それは,情報社会の特性などの専門的なこと全て覚えて子どもたちに伝えなければならないと思うのと,そこは教材にある程度任せておけると思うのとでは,授業への負担感が全く違うということであった。教材は,知識などの専門的な側面を動画の力を使ってわかりやすく伝えることができるからだと考える。 二つ目は,動画教材の使用は,子どもたちの関心意欲が非常に高まるということである。筆者も授業を見るにあたって強く感じており,どの学年も集中力をもって視聴している様子がみられた。動画教材を使用することは,子どもにとっても有用性があると,授業を行ったことで先生方が実感した姿がみられた。 【動画教材が負担感を軽減する】 ・動画があると楽である。自分が全て伝えなければということがない。 ・動画教材で一度授業をしてみると,次はそんなに構えなくてもできそうな気がする。今日の授業内容と児童の様子を懇談会で保護者に伝えて,啓発につなげることもできそうだと感じた。 【動画教材の使用は,子どもの関心意欲が非常に高まる】・動画の効果は抜群である。児童の関心意欲がすごく高まる。内容もよく入っている。 ・授業を行ってみて楽しかった。子どもが,すごくのってくる。 【授業を行うことからわかる子どもの情報モラルの実態】・授業を行ってみて,子どもの様子がもっとわかった。アンケート時点よりも進んでいるし,また,アンケート内容に上乗せして,必要なことを聞くことができ,より児童実態が理解できる。授業中の児童のつぶやきからもわかる。 小学校 情報教育 28

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