(人)4006<STPD実践の具体1>課題に対応した教材選択(Plan)をする活動 指導内容の焦点化後,コンピュータ教室に場所を移し,学年や特別支援学級ごとに,それぞれの指導に見合う教材を探した。A校と同じ,リンク集と指導案をまとめたものを提示した。B校でも,教材が多くあることに驚きの声が上がっていた。 1年生では,15分の番組になっている動画教材で「これなら,子どもたちも喜んで観るはず。ただし,時間が長いので見せ方は考えなければならない。」と話し合われていた。2年生では,短いアニメーション教材が子どもたちにわかりやすいのではないかということ,3年生では,ゲームや課金のことが指導内容として焦点化されていたことから,ゲームの長時間利用が生活習慣にどのように関わってくるのかという教材と,課金を扱うゲーム依存についての教材の二つを選択して二回に分けて授業するのはどうかということが話し合われていた。5年生では,自分専用のスマートフォンの利用率が高いことや,家での約束とフィルタリングの設定の低さから,子どもたちは,スマートフォンを自由に使っているという状況を考え,スマートフォンが出てくる教材を見て話し合いが進められていた。 図3-19は6年生の先生方が教材を探されている様子である。 図3-18 B校4年生の先生方がピラミッドチャートに付箋n=52を出し合ったもの 図3-19 B校6年生の先生方が教材を選択されている様子 小学校 情報教育 21 4年A教諭 「インターネットを一人で使う子どもが多い。また,インターネットの中にあるアニメや音楽は,何でも自由に見たり,聴いたりして良い,わからないと思っている子どもが多い。スマホの使用率も高いことから,インターネットの中にあるものは,見てよいとか悪いとか,見たらダメとかわからず(判断の根拠なく)使っているのではないだろうか。」 気になることを書き出した付箋を基に,子どもた ちの課題を考えていく活動を行った。実態から想定される状況や指導すべきことなどについて話し合われた。 4年生の先生方が注目された項目について紹介する。 「7-a インターネットを使うときは誰と一緒にしますか」では,一人きりで使用する子どもたちも多く,「5 インターネットの中にあるアニメや音楽は,何でも自由に見たり,聴いたりして良いと思いますか」では,「良い」「わからない」を合わせると67%もいることから,インターネットに出ているものについて,正しいものか誤ったものなのかを判断する基準になるものを知らないまま活用しているのではないかと話し合われた。また,「1-aスマートフォンを使っていますか」では,自分専用・家族のものを含めると,使用が67%にのぼることから,多くの子どもたちが情報モラルの知識のないままに,インターネット上の情報を見ていることについて話し合われていた。 右上図3-18は,それらのことを踏まえて,4年生の先生方でピラミッドチャートに付箋を出し合い指導内容を焦点化していったものである。 図3-18の頂点にあるように,著作権の指導を行うことにした。4年生の発達段階を考えて,法の理解ではなく,身近な事象から著作権について取り扱い,他の人が作ったものについて考える,情報社会の倫理について指導することにした。 図3-19で は,指導内 容の焦点化 に「写真を アップする のに抵抗が ない子がい ること」と おうちの人とするきょうだいとする友だちとする7-a インターネットを使うときは,だれと一緒にします1020か(複数回答可)一人でするその他きいたり 2521133035
元のページ ../index.html#23