教科学年123456特別支援学級情報セキュリティ情報セキュリティ情報セキュリティ一般社団法人日本教育情報化振興会そこで,自他の情報を含む安易な写真の投稿が巻き起こすという動画教材を選択した。この教材は,対象学年が中学2年生〜高校3年生であったが,工夫をすれば,小学校6年生でも使用できると判断された。授業の残りの時間によっては,もう一つ,SNSに安易に写真を投稿し,社会問題にまでなった事例からも考えさせてはどうかと,この時点では二つの教材が選択された。 他の学年でも同様に,インターネット上にある教材のすべてが,小学校の授業を想定して作られているわけではないが,その教材のどこに重点を置いて取り扱うかということを考えれば,教材の対象が上の学年であっても,領域・分野と教材内容で,選択されることがわかった。 図3-11は,A校6年生が選択した教材を基に作成した略案(授業発表メモ)である。 図3-11には,教材とおおまかな指導の流れが記載されている。教材選択のため動画を探す時間はおよそ30分であったので,指導案といえるほど詳細なものをこの時間に作成してしまうのは難しかった。 授業後6年生の先生方への聞き取り調査からは,ここまで準備できたことが,授業を行うときにとても頼りになったという声があがった。指導案をより詳細に作成できる時間が研修の中でとれれば,授業時にもっと有用かもしれない。しかし,研修のテーマは,「目の前の子どもたちに具体的な指導を考える」ことであったので,指導案を完成させることよりも限られた時間で効率的・効果的に情報モラルについて考え,視点をもって話し合うことで,教員が学び合い,テーマに迫っていくことが重要であると考える。 表3-2は,A校で計画された授業内容と選択した教材の一覧である。 図3-14には,指導内容と 表3-2の内容になった経緯や,授業の流れなどを略案(図3-11)を基に,研修会の最後に,各グループから2分程度で発表し合った。各学年の実態を共有し,実態からの分析の視点や,先生方の課題に対する思い,他の教材などを互いに知ることができたことにも,交流の意義が大きかった。 <STPD実践の具体>授業実践 図3-12は,A校6年生が授業実践をした際の指導案である。 ピラミッドチャートの頂点に書いたこと(課題)安全への知恵,なりすまし安全への知恵,知らない人に連絡先を教えない,友だちの個人情報情報には誤ったものもあることに気づく正しい使い方,どうつながっていくか不正使用や不正アクセスされないように利用できる情報の破壊や流出を守る方法を知る自他の個人情報を第三者にもらさない無料ゲームとのつきあい方,注意すること特別活動(2)カ安全への知恵特別活動(2)カ安全への知恵総合的な学習の時間安全への知恵特別活動(2)カ安全への知恵特別活動(2)カ安全への知恵特別活動(2)カ安全への知恵生活単元d1-1e1-2e2-2e2-2g3-1h3-1e3-2e3-2安全への知恵d2-1g2-1領域・分野学習のねらい個人情報を守るために,インターネットは大人と使うことを考える知らない人に連絡先を教えないことについて考える情報には誤ったものもあることに気づく個人写真の提供が,予想外の個人情報の流出になることを知る不正使用や不正アクセスされないように利用できるようにする情報の破壊や流出を守ることについて考える自他の個人情報を第3者にもらさないことについて考える無料ゲームとの付き合い方を考える警視庁文部科学省文部科学省文部科学省IPA情報処理推進機構文部科学省NHK日本放送協会教材キッズパトロール(ア)セキュリティ編ネット社会の歩き方「住所や電話番号を教えるのは慎重に」情報化社会の新たな問題を考えるための教材「軽い気持ちのID交換から」情報化社会の新たな問題を考えるための教材「軽い気持ちのID交換から」情報化社会の新たな問題を考えるための教材「パスワードについて考えよう」IPA映像で知るセキュリティ「あなたの書込みは世界中に見られてる」情報化社会の新たな問題を考えるための教材「情報の記録性,公開性の重大さ」スマホリアルストーリー「無料ゲームのはずが…」図3-11 A校6年生略案(授業発表メモ)表3-2 A校で計画された各学年の授業内容と教材一覧 小学校 情報教育 17
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