図3-9のリンク集には,それぞれの教材が情報モラルの2領域5分野のどれにあたるのか,どんな内容なのか,出典先,41のリンク先についてまとめたものである。 表3-1は,京都市の教員によってこれまでに作成された指導案をまとめたものである。 課題に対応した教材選択では,図3-9と表3-1を使用し,指導内容に合うものを探す中で,「こんなにあるのか」「ありすぎて,どれからみたらよいだろうか」と,教材が多く存在することに,先生方からは驚きの声も上がっていた。 また,学年グループの先生同士で「この教材なら,提示の時間も短く,このアニメーションなら2年生でもわかりやすいのではないか。」と,声をかけていた。「私も○○をみつけたのですが,それよりも,時間が短いこちらの方が,子どもたちがわかりやすいと思います。」と,互いに見つけ出した教材を紹介しあっている様子が見られた。 さらに,スマートフォンを日常的に使う先生が使わない先生に,どんな機能があって,子どもたちが何をしているのか説明している様子,授業の経験年数の豊富な先生が,教材を観た後に,指導の流れについて考えたことを,すぐにその場でグループの先生方に伝えている様子など,それぞれの先生方の様々な経験をつなげて,話し合いが進められていた。このように,スマートフォンのアプリについて,また授業の構成について,話し合う姿が多くのグループで見られたことは,ここに備考 5・6年生(特活)5年生(特活)5年生(道徳)5年生(道徳)5年生(社会)4・5年生向き 4年生(特活)3年生(道徳)3年生(特活)3年生(特活)2年生(特活)至るまでに,児童実態から話し合いを基に進めてきた協働的な活動から派生した,教員の学び合いだと考えられる。 図3-10は,この課題に対応した教材選択をする活動は,これから情報モラル教育をしていく上で役立ちそうか尋ねたアンケート結果である。 図3-10は,一人で指導内容や方法を考えるのではなく,目的を共有した(学年)グループで,教材を探し検討することの,意義を全員が感じたことがわかる。 このように,話し合いを基に焦点化した指導内容から課題に合う教材を探す活動を通じて,教材理解もできていた。このようなやりとりが,指導案を練り上げるのに有効であったと考える。 <STPD実践の具体2>教材選択から指導案を作成(Plan)し,校内で共有する活動選択した教材を基にして授業の流れを考え,研修会の最後に発表し合うことで,校内の情報モラルに対する各学年の実態と課題,授業の流れを共有した。 6年生では,「自他の個人情報を第三者にもらさない」という指導内容に決めていたので,情報モラル教育の「安全の知恵」の分野から,教材を選択していった。教材をいくつかみるうちに,個人情報の中でも写真の取り扱いについて考えられるものがよいのではないかということになった。それは,実態調査結果から「写真をインターネットにのせることについては慎重な子が多い」と出ていたが,子どもたちとの日ごろの関わりからは,インターネットに写真を載せることと,SNSなどで特定の仲間に向けて写真を見せることは,全く別のことだと捉えている可能性が高いと考えられたため,写真の取り扱いを基に,個人情報について考えられるものにしようということになった。 05216表3-1 情報モラル教育参考指導案 内容 「SNS」トラブル 「よりよいコミュニケーション」LINEの疑似体験 「棚いっぱいのプリン」ツイッターのよさ 「知らない間の出来事」 「ゲームとのつきあい方を考えよう」5年生(特活)「わたしたちと情報」 「ゲーム依存」 「白ヤギさんと黒ヤギさん」 「少しだけなら」 「Cマークってなあに」 「正しく判断するために」 「手紙を書くときには」 図3-10 A校「課題に対応した教材選択をする活動は,これから情報モラル教育をしていく上で役立ちそうか」に対するアンケート結果 小学校 情報教育 16 教材(指導案)を探し,どう使うか検討するこの活動は, これから情報モラル教育をしていく上で役立ちそうですか (人) とても役立ちそうまぁまぁ役立ちそうあまり役立たなそう全く役立たなそうn=18 201015
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