001総教C030705H28最終稿(高橋)
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6年A教諭 「名前(ID)だけなのか…それとも,他に色々な個人情報を簡単に入力してしまっている子がいるのであればこわい」6年B教諭 「インターネットの中だけの友だちが結構いるのだと思った」 6年C教諭 「私も同じことが気になりました。」(3人とも同じ内容の付箋を出す) 6年A教諭 「パスワードの意味はわかっているみたいだったが,フィルタリングはその質問自体がわかってない」(知らないことが問題である) ロードの経験の多さなど,子どもたちに情報モラルの知識がないまま利用がされているという事実が多いことに驚いている様子が伺えた。 これ以外に,先生方が注目された子どもたちの実態について紹介する。 「9 インターネットに自分の名前や住所を入力したことがありますか」では,ゲームなどで使用するIDを含んでの回答か,自分の名前という意味での回答か,一人きりで使用している時に入力したという意味での回答なのかまでは,条件づけていないので正確にはわからない。子どもたちが名前を入力したと自覚している,または,入力しているかわからないという数値をあわせると30%にものぼるので,個人情報の扱いについて,子どもたちはどのように考えているのかということが出ていた。 「14 インターネットの中だけの友だちがいます か」では,14人も「いる」と回答していることに,全員が気になっていた。ゲームの中で対戦相手として名前が出ているだけなのか,チャットなどで会話もしてインターネット上では,互いに友だちだと認識している仲なのか,それ以上に関わりのある友だちなのか,この調査ではわからないが,インターネットの中だけでも,会ったことのない人を友だちだと思っていることがわかった。 「17 あなたが使うものにフィルタリングがかけられていますか」では,このアンケートをしていたときに,フィルタリングそのものの意味がわ からずに,質問が理解できなかった子どもたちが何人もいたことが話題に上がった。 このように,児童実態調査の結果から,書き出した付箋を活用して,学年で児童実態を把握し,分析する作業がすすめられた。この作業の中で指導内容を焦点化していくことで,子どもたちへの指導内容を考えた。そのために,今回はピラミッドチャートという思考ツールを使用した。 図3-7は,使用したピラミッドチャートである。 図3-7からわかるように,下層部に各自で書き出した付箋を出し合って,中層部に重なるものや重要と考えられるものを整理したり分析したりして,頂点に指導すべき内容を焦点化するものである。 全員の付箋が並ぶことで,特定の意見だけで進むのではなく,全員の意見から比較・検討ができる。また,付箋を基に,つながりをもって考えをまとめあげることができるよさがあった。 次頁図3-8は,A校6年生の先生方でピラミッドチャートに付箋を出し合い指導内容を焦点化していったものである。 図3-8で,下層部から中層部に,家族との約束が無い子どもたちが約30人いる中で,LINEの使用が約70%であることや,ネットショッピングを含む,個人情報を入力した経験などが挙げられ,相談の結果「自他の個人情報を第三者にもらさない」と個人情報の取り扱いを指導する内容に絞りこまれた。 家庭での約束が無いという子どもたちが多いことから,A教諭は「家庭での約束が無いというのが多い。以前,家庭での約束を守ることは,どうして自分たちに大切なのかということを,子どもたちがよく話し合っている様子を,保護者にも参観 指導内容の焦点化指導すべき内容(学年で相談する)児童実態調査からの気づき(個人でする)14 インターネットの中だけの友だちがいますかいるいないわからない図3-7今回使用したピラミッドチャートの説明小学校 情報教育 14 114n=57(人)42

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