071【受信】差出人白ヤギさん件名黒ヤギさんへ【受信】差出人白ヤギさん件名黒ヤギさんへ【受信】差出人白ヤギさん件名黒ヤギさんへ【受信】差出人白ヤギさん件名黒ヤギさんへ図3-2の体験1は,岩崎(鳥取県岩美町立岩美中学校)の実践(17)を参考にしたものである。二人一組で,白ヤギさんと黒ヤギさんの役割に分かれ活動する。それぞれの条件の下で,白ヤギさんは黒ヤギさんのことを想って誘い続け,黒ヤギさんは短い文で断り続ける。そうすると白ヤギさんには「一生懸命に誘っているのに悲しいと思う気持ち」,黒ヤギさんには「断っているのにしつこい人だなと思う怒りの気持ち」などが生まれやすい。 つまり,SNSトラブルに起こりがちな「文字だけでは誤解が生じやすい」ということを実感しやすいという体験である。 また,教材を実際に体験したことが,情報モラルの授業のイメージとなり,授業の中に(疑似)体験を入れることは「子どもたちにとって考えやすい手法」になることを知る機会にもなる。 さらに,この教材のように,紙に書いたものを交換することが,メール交換の疑似体験になるということは,日ごろスマートフォン等を利用していない子どもたちにとっても取り組みやすく,全員が参加できるので,思考の土台が揃う授業となる。筆者は,「体験1」を通して子どもたちにも,先生たちにも,身近で取り組みやすい授業ができることや,教員が全ての知識を持って教え込まなくても,教材や手法次第で,子どもたちが自ら考え,判断できる授業を展開できることが感じて欲しいと考えた。 図3-3は「体験1」について教員のアンケート結果を示したものである。 図3-3「体験1」について教員のアンケート結果からは,二つのねらいが,概ね,伝わったことがわかる。 次は,体験2について述べる。情報モラル教育は,前述(p.6)したように,2領域5分野から成る。研究協力校での事前アンケートから,2領域5分野について多くの教員が知らないと回答していたことから,情報モラル教育の全体像を捉えてもらうのによい機会と考えて使うことにした。2領域に5分野のカテゴリに,子どもたちの身近にありそうな状況15事例を,それぞれ当てはめる活動をすることで,情報モラルの領域や分野の内容について考え,知る機会とした。 図3-4は,二つ目の体験活動で使ったものである。 次頁図3-5は,子どもたちの身近にありそうな状況を15場面の事例にしたシートである。 (18)25だいたい伝わったあまり伝わらなかった全く伝わらなかったよく伝わった図3-2 情報モラル校内研修「体験1」白ヤギさんと黒ヤギさんのメール交換 紙交換 図3-3「体験1」について教員のアンケート結果 図3-4 情報モラル校内研修「体験2」2領域5分野の ワークシート小学校 情報教育 12 「白ヤギさんと黒ヤギさんのメール」では,「文字だけでは誤解が生じやすい」ということと,学習の中でこのような(疑似)体験をすることは,「児童にとっても考えやすい手法になる」ということが,伝わりましたか (人) n=33 102030
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