001総教C030705H28最終稿(西田)
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本章では,本研究を振り返り,成果と課題をまとめる。そして,低学年における,遊びの中にある学びに対する筆者の考えを述べる。 (20) 文部科学省『子どもの体力向上のための取組ハンドブック』2012.3 p.18 28 図4-1 本研究で使用した児童振り返りカード 第4章 実践から見えてきたこと 図4-1は本研究で使用した振り返りカードの一部である。どの単元においても同じ項目で振り返るようにした。「楽しさ」「協力」「技能の伸び」「学び方」の四項目とした。これらの項目について授業後,毎時間「◎○△×」で振り返り,形成的授業評価の診断基準(21)に沿って授業を評価した。表4-1は高橋による形 小学校 体育科教育 24 図4-2から,全て単元において,多少起伏はあるが,単元が進むにつれて評価を高めていったことがわかる。「マットあそび」では,毎時間「2.90」以上の高い評価が続いていることから,児童にとって非常に楽しいと感じる授業であったといえる。「パスアンドシュートゲーム」や「ハンドシュートゲーム」においては,単元前半と後半との差が大きい。単元進行に伴い,ルールを理解し,得点を競い合うという楽しさを味わうようになったと推測できる。図4-3は,「てつぼうあそび」における児童の振り返りの記述である。 図4-3 てつぼうあそび 児童振り返り 児童Aは,「てつぼうあそびをしたおかげで」という言葉を使って感想を述べている。初めは苦手と感じていた児童Aも楽しい遊びを通して楽しさを経験し,単元の最後には「すきになった」という評価をした。児童Bは,「みんなとちがうわざでも楽しかった」と評価している。ぶらさがりじゃんけんでは,「こうもり」でぶら下がることをしなければならないわけではなく,自分ができるぶら下がり方で楽しむことができる遊びであった。つまり,自分に選択権があり,無理なく楽しめる環境が整っていたのである。その緩やかな遊びの環境第1節 成果と課題 (1)楽しさを実感していたか 成的授業評価の診断基準である。 表4-1 形成的授業評価 診断基準 図4-2は,「楽しさ」項目における形成的授業評価の推移である。 図4-2 形成的授業評価 楽しさ項目 推移 A C B D

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