001総教C030705H28最終稿(西田)
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①ケンパ ②陣取り(宝運び) ③どんジャンケン ④登り棒 ⑤ことろことろ ⑪上か下か真ん中か (体育館) ⑥Sケン ⑦ゴムとび ⑧バランス鬼 ⑨陣取り(旗取り) ⑩しっぽとり ⑫フラフープ渡し (体育館) など様々な意見が出た。つまり,児童の立場に立って,誰もが楽しむことができる遊び方にしていこうということだ。 この取組以降,休み時間に登り棒に集まる児童が以前に比べて圧倒的に増加した。これまで,運動場の端にただ設置されていたものが,本来の遊び場として活用されるようになったのだ。取組の中で,児童が登ることの楽しさや上から景色を見る心地よさなどを感じ,自ら楽しむ姿が見られるようになったことが成果だと担当者は語っていた。 目指すところは,児童だけで楽しく遊ぶ姿であるが,遊びを知らない児童にいきなり自分たちで遊びなさいといっても遊ぶことができないのではないだろうか。初めは,大人と一緒に遊ぶことが望ましいと考える。多くの児童が初めて体験する遊びもあるので,リーダーとなる教師がいた方が,どの児童も安心して遊びに慣れることができるからである。しかし教師は,手取り足取り遊び方を児童に伝授するのではなく,児童が遊びに向かって楽しく遊ぶ姿勢を崩さないようにサポートすることが大切である。レベルの高い遊びの姿をすぐに求めるのではなく,児童の自主的な遊びの姿を尊重していく。このような教師の姿勢は,児童の学びをサポートする姿勢と同じであった。つまり,遊び=学びにおける授業の教師の姿勢と,事例1童の様子である。遊び方を,登り棒の上まで登って下りるチーム間競争としていこうと計画していたが,教師で遊んでみると,上まで登ることが非常に困難であるということに気が付いたようだ。すると,「高学年ならこの高さまで」「苦手な子は高鉄棒にぶら下がるだけ」 は, 運動場の配置図である。担当者は,運動場にラインを引き,遊びと遊びの境界線を明確にしていた。図3-20は,登り棒で楽しむ児 25 新体力テストの数値が高いことも分かっている。(20)そこで,本節では,体力向上に向けた日常的な取組の事例を三つ紹介したい。三つの事例の取組のポイントから,運動の日常化に向けた取組のヒントとなるように願う。 (1)事例1 縦割りグループを活用した遊びの時間の取組 通常の昼休みよりも長いロング昼休みを使った全校縦割り活動の取組である。C校では,以前から,全校縦割りグループで遊ぶ取組を行っていた。しかし,担当者によると,以前は,児童任せになっていた部分が大きく,取組として計画性が伴っていなかった課題があったそうだ。児童も教師も運動遊びの楽しさを実感することができていなかった。加えて,新体力テストの結果分析から,体力低下傾向が明確となったことからも,何とか楽しみながら体を動かす機会を増やしたいと願い,遊びに特化した取組を考えたそうだ。紹介する遊びは,月1回のペースで行うことができるように,12種類とした。12種類の遊びを全て紹介するので,全校児童も縦割りで12グループに分けた。事前に全ての教職員が,どのような遊びをするのかを十分に把握するために,研修を行った。全ての遊びを実際に遊んでみることで,その楽しさや児童への伝え方なども考えられることができる。一人の教職員が一つの遊びを担当し,児童は毎月一つずつ,遊びを紹介してもらう。紹介する教師側からすると,紹介する遊びが固定されているので,前回の児童の様子から,遊び方や場の工夫をすることできる。うまくいかなかったことを修正したり,新たな道具を用意したりすることも可能であり,更に,児童への説明する言葉も,毎回精選されていくのである。表3-9は,児童に紹介する12種類の遊びである。 表3-9 縦割り遊びで紹介した12の遊び 全校児童の多くが運動場に出てきて遊ぶこととなる取組なので,安全面への配慮からも,遊ぶ場所については,十分に熟考されていた。右上図3-19 図3-19 運動場の遊び活動場所配置図 図3-20 登り棒を楽しむ様子 小学校 体育科教育 21

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