20 いろいろな鉄棒遊びを知り,友だちと一ステージ① 緒に力いっぱい鉄棒遊びを楽しむ もう一度やってみたい鉄棒遊びを選んステージ② で,友だちと一緒に力いっぱい鉄棒遊びを楽しむ 遊びの名前 どこまで とべるかな うまく着地 できるかな ぶらさがり じゃんけん はしからはしまでいけるかな 回転リレー てつぼう すごろく 学習指導要領の遊びの要素 例示 ★跳び上がり 【達成】 ★跳び下り 【心地よさ】 ★跳び上がり 【達成】 ★跳び下り 【心地よさ】 【競争】 ★ぶら下がり 【運】 ★ぶら下がり 【達成】 【克服】 ★易しい回転 【競争】 【競争】 ★跳び上がり 【達成】 ★跳び下り 【克服】 ★ぶら下がり 【運】 ★易しい回転 【真似】 【心地よさ】 図3-10は,鉄棒すごろくで使用したものである。 サイコロを振ってマスに書いてある遊びを行い,ゴールを目指していくという遊びである。児童には,以下のことを伝えた。 ○回数は,自分たちで変えてもよい。 ○指定してある遊びができなかったり,自分で変えたりしたいときは変えてもよい。 ○個人対抗戦にするか,チームみんなで進んでいくかは相談して決める。 すごろくのマスに書いてある遊びは,どの児童も安心して楽しむことができるように,これまでに経験してきた遊びが中心となっている。運が大きく左右されるすごろくの楽しさを生かし,どの児童も楽しむことができるようにした。しかし,中には,「あしかけふり」「ちきゅうまわり」といった遊びも含まれている。そのマスに止まったときは,チーム内での教え合いが自然と生まれていた。更に,すごろくの出目によって自分たちが行う技が異なるということもあり,児童は出目の行方に興味津々である。チームですごろくを囲み, 自然 い」と協働的に学ぶ形を押し付けているのではない。自らの興味や関心が,「話し合う」「相談する」という形を必要としているのである。「みんなでこの技ができるようにしましょう」と指導者からの課題提示では,真に興味を持って話し合うことは難しいのではないだろうか。遊びという,自由に選択し,判断できる環境であるからこそ,児童の主体的な姿が生まれると考えた。 と話し合いが行われていた。図3-11は,興味をもって話し合っている様子である。指導者が,「話し合いなさい」「伝え合いなさ 棒遊びの楽しみ方が広がり,体育の授業以外でも鉄棒遊びを楽しむ子が増えることを期待した。表3-4は,てつぼうあそびにおける学習過程である。 表3-4 てつぼうあそび 学習過程 まず,ステージ①が,指導者からの遊びの紹介を受けて楽しむ段階である。跳び上がる,跳び下りるという動きをそのまま紹介するのではなく,例示にある動きが自然に現れる遊びを筆者が考案し,児童に紹介した。ステージ①を繰り返す中で,児童は,いくつもの鉄棒遊びを獲得することができる。ステージ①で紹介された遊びを楽しんだ児童は,自分が楽しいと感じた遊びをもう一度遊んでみたいと感じるのではないかと考えた。この段階がステージ②である。獲得した遊びの中から,もう一度遊んでみたい遊びを自ら選んで楽しむ時間を設けるようにした。 <授業の実際 てつぼうあそび> 表3-5は,ステージ①で筆者が考案し,児童に紹介した,鉄棒を使った遊びである。それぞれの遊びを楽しむ中で,自然に現れることが期待できる学習指導要領にある例示と,主な遊びの要素もまとめた。 表3-5 紹介した鉄棒遊び 図3-10 鉄棒すごろく 図3-11 児童の話合いの様子 小学校 体育科教育 16
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