001総教C030705H28最終稿(中町)
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3社会科学 2歴史・地誌 1哲学・宗教 0総記 4自然科学 5工学・工業 6産業 7芸術 9文学 8語学 第1章 1年次の研究より Step1 多角的な観点から課題をとらえる Step2 異なる分野の情報を関連付ける Step3 自ら課題を設定し追究する 【教室・学校図書館】 【学校図書館】 【学校図書館】図1-1 分類ワークシート(5)図1-2 情報ワークシート(6)平成27年8月に出された「教育課程企画特別部会 論点整理」には「これからの子供たちには(中略)自ら問いを立ててその解決を目指し,他者と協働しながら新たな価値を生み出していくことが求められる」(2)とある。本章では,今求められる資質・能力を踏まえ,学校図書館を活用した1年次の研究から得られた課題について述べる。 第1節 自ら問いを立て学ぶ力 (1)学習指導要領の方向性 子どもたちに今必要とされる資質・能力を育成するため,具体的にはどのような指導内容を考えていくべきだろうか。中央教育審議会第197号答申(以下「答申」という)の中では,次期学習指導要領改訂の方向性として,「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」(3)が挙げられている。そして, まず育成を目指す資質・能力を整理し,そのために必要な指導内容を検討し,具体的な子どもの学びの姿を考えながら支援や指導を構成する必要があるとしている。つまり,指導する教師は「何を教えるか」ではなく,子どもたちが何を学び,何を身に付けるべきかを中心に,学習内容と指導や支援の方法を検討する必要がある。そのためには,これからの時代,子どもたちに必要となる資質・能力について明確な見通しをもっておかなければならない。また,子どもたちに付けたい力を各教科等の視点で見たとき,どの学習内容をどのように学ばせるのが適切かを考えておかなければならない。 答申では,「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」と,すべて学習者である子どもを主体とした表現が為されている。このことから,子どもが自ら学び,理解を獲得する力を付けるための指導方法や支援,更には評価について考えていかなければならない。 (2)1年次の研究概要 <研究の目的> インターネット等の情報通信技術が発達し,情報が溢れる時代に育った子どもたちに,「学校図書館を活用し,物事を多面的にとらえ,多角的な観点から検討したり,様々な情報を組み合わせて新しい考えを想像したりする基盤となる学びの力を付ける」(4)ことを目的として研究を行った。研究の中では,学校図書館の機能,特に日本十進分類法に基づく図書分類に着目し,図書分類を知識・情報を整理する枠組みとしてとらえ,活用した。 <研究の大まかな流れ> 1年次の研究で行った授業実践の大まかな流れを以下に示す。 授業は大きく3つのStepに分け,それぞれ,教科等の内容理解と併せて,Step1〜3に示した学び方を身に付ける目的で行った。 右図1-1は,図書分類の枠組みを可視化した「分類ワークシート」である。 右下図1-2は,図書分類の枠組みを活用し,異なる分野の情報を組み合わせる考え方を,わかりやすく学習に取り入れるための「情報 ワークシート」である。 Step1からStep3の授業実践で上記のワークシートをどのように活用したか,主な内容を次に示す。 Step1【「分類ワークシート」使用】 ・学習内容全体を俯瞰するため,教科書一単元の主なキーワードを図書分類の視点で分類する。 ・図書分類を観点として,内容比較を行う。 ・書き出したキーワードを手掛かりに,学校図書館のすべての図書分類からさらに情報を集め,発展的な課題に取り組むことで,教科内容についての学習を深める。 Step2【「情報ワークシート」使用】 ・自分の考えを述べるため図書資料の情報を複数組み合わせて考える。 ・多角的な情報から意見を述べるため,資料は異なる分類から複数の図書資料を使用する。 Step3【「分類ワークシート」使用】 ・学習対象の全体像を俯瞰するために「分類ワーク 中学校 図書館教育 2

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