001総教C030705H28最終稿(中町)
21/32

表裏図3-21 「評価シート」(一部抜粋) に分け,その中集団の中で発表をした。この発表は,自分たちの考えを一旦整理して伝えること,他者からの意見をもらって更に改善することを目的とした。中集団で意見や質問を相互に出し合い,更に提案を改善した後,クラス全体への提案をするようにした。 図3-18は,「自分との対話カード」の記述からの抜粋である。 発表場面を二段階に した結果,中集団での発表で,子どもたちは様々な気付きを得ることができ,全体発表の時には,その気付きを活かせたと感じていることがわかる。 図3-19は,一度目の発表を終え,改善点などを話し合っている様子である。 子どもたちは,輪の中心に「人との対話カード(グループ用に拡大したもの)」を置いて話し合いを進めている。ここでも,学習テーマと, それを解決するためにグループで立てた問いが意識されていた。また,発表により得られた人からの質問や意見を活かしている様子が見られた。 図3-20は,「人との対話第3段階」で,学級全体に発表をしている場面である。 この発表でも,互いに質問や意見を出し合うよう指示した。また,子どもたちは発表に対して相互評価を行った。更に,他グループの発表内容から学 んだことや気付いたことなどは,その都度,図3-21 に示す「評価シート」に記録するよう指示した。 学級全体への発表後,提案内容の振り返りと「自分との対話カード」への記入を通して単元の学習のまとめを行った。ここでも,次に追究する問いを立てて終わるようにした。提案内容の振り返 り記述,自分との対話カードへの記述および,その 中で子どもたちが最後に立てた問いについては,次節で述べる。 第3節 子ども自身による学習の振り返りから(1)学習内容の振り返り記述から 本項では,単元の学習の最後に子どもが一連の学習を振り返り,記述した内容について述べる。 図3-22から図3-25は,自分たちのグループが提案した内容を振り返った記述の一部である。 図3-23からは,根拠が十分でなかったという課題を,子ども自身が認識していることがわかる。見方を変えれば,この子どもは根拠となる説明材料を意識して学習を進めたと考えられる。 因みにこの子どものグループでは,数か国の間で資源と技術のやり取りをしながら貿易することを考え,アジア各国間で貿易協定を結ぶことができないか,熱心に議論していた。 次頁図3-25は,アジア州の学習で,インドのスラム街に学校を建設することを考えていたグルー プの子どもの記述である。 図3-22 「評価シート」提案内容の振り返り 図3-22からは,他グループの提案内容を理解し,自分の学習した内容と関連付けて考え,問題点を発見し,次への課題としたことがわかる。このことから,この子どもは,学習したことを相互に発表する中で,他者の学習を自分の学習へと取り入れることができたと考えられる。 図3-23 「評価シート」提案内容の振り返り 図3-24 「評価シート」提案内容の振り返り 図3-24からは,子ども自身が次への課題を明確にもって学習を終えていることがわかる。また,最後に「…を必ずやる」と表現していることから,子どもの中で課題追究への意識が継続していることがうかがえる。また,「グローバル化」などの既習事項を使って課題追究していることがわかる。 中学校 図書館教育 19

元のページ  ../index.html#21

このブックを見る