001総教C030705H28最終稿(中町)
18/32

図3-6 本との対話カード(子どもCの例)問い問い問い問い問い問い問い問い問い問い筆者は,子どもが個々に本と対話し,学習を進めておくことで,グループでの学習に広がりが出ることを意図して授業を計画したが,グループでの提案内容を絞ったために,子どもCの例のように,子どもの学びを中断させてしまった面もあった。一方で,それぞれのアイディアを「どれも捨て難い」と,一つのグループで三つの提案をした子どもたちもあった。また,三つの提案内容を並行して考えることで,その内容を互いに結び付けて考える様子も見られた。 このような学習活動を計画するとき,最後にグループで考え,発表するという形態をとることは多い。しかし,グループで一つの事柄を追究するという固定観念にとらわれると,子どもの学びを途切れさせてしまうこともあると気付かされた。 図3-7は,ある子ども(以下「子どもD」という)の「本との対話カード」から,子どもDが自ら立てた「問い」と「気付き」のみを抜粋したものである。 的特色に,歴史的背景を関連付けて学びを進めた。最初の問いと五つ目の問いを比較すると,問いの質が,地理的分野から歴史的分野に関連するものに変化し,内容が他分野に広がっていることがわかる。 このように,学習内容が他分野や他教科の内容に広がった様子は,複数の子どもに見られた。このことから,本研究のねらいである,子ども自身の問いをもとに学習を広げ,深めることができたと考えられる。しかし,例えばこのまま学習を終えると,教科のねらいである見方・考え方からは少し外れてしまうことも考えられる。したがって,教師が,この単元でねらう見方・考え方を意識して,子どもたちの学習をつなぎ,視点を加えて理解へ導く手順が必要と感じた。 (3)協働的な学習と学びの広がり・深まり 本項では,グループでの協働的な学習によって,学びがどのように広がり,深まったかについて, 例を挙げて述べる。 図3-7 本との対話カード(子どもDの例)子どもDは九州地方の学習で,方言という地域中学校 図書館教育 16

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る