↓↓↓↓↓ 分類ワークシート本との対話カード 人との対話カード 問い本との対話カード 人との対話カード 問い問い問い問い自分との対話カード 問いとなり,かつ我が国の国土の認識を深める上で効果的であるという観点から設定すること。また,州ごとに異なるものとなるようにすること。(14) ※下線は筆者による (主題例と学習イメージ) (ア)アジア:<主題例>人口急増と多様な民族・文化 “なぜアジアでは人口が急増し,民族,文化が多様なのか”という問いを立て,アジアにおける人口急増地域の分布,産業発展と人々の生活のかかわり,民族や宗教分布,宗教と生活とのかかわり,宗教の伝播や人口の地域間移動の推移などを追究すると,アジアの人口問題の出現や多様な民族構成,文化形成の背景が分かり,アジアの地域的特色の理解につながる。(15) 第1時<アジア州はどんな地域か,全体像をつかもう> 学習内容を教科書で俯瞰。[小集団] 第2時 <N社長に提案するためのリサーチをしよう>学校図書館の資料を使い,個々の問いに対する情報を集め,気付きや考えを書き出し,さらに問いを立てる。[個人] 第3時 <みんなの調べたことをもとに,N社長に提案する内容を考えよう>第4時 <N社長に提案するための根拠を集めよう>提案の根拠や見通しを示すために情報を集める。情報を集める過程で,自分自身に質問するように学習を進める。 自然環境と地形の学習。[一斉] 担当する地域をグループ毎に決める。 ↓(東・東南・南・中央・西アジアおよび中国) 疑問に思ったことを書きだし,最初の素朴な問いを立てる。グループ内で,自分の学習してきた内容と,考えたこと,さらに疑問に思っていることを伝える。 人の学習内容を聞いて,学習が深まったり広がったりするための意見や質問を全員が返す。[小集団] 持ち寄った情報を検討し,提案する内容を考える。[小集団]↓ 提案のためのプレゼンテーションを考える。 上記の内容を踏まえ,授業を行った。子どもの活動を中心に,授業の概要を次に示す。第2時以降の授業はすべて,学校図書館で行った。なお【 】内は子どもたちに提示した学習のテーマであり,< >内は,授業時間毎に提示した学習のめあてである。 【N社長アジア進出計画! アジア各地の特色を活かしてN社長の企業を誘致するプレゼンをする】 ※Nは担当教師 [個人/小集団] [小集団] 提案内容を改善する。[小集団] 自分の考えが,どのようにレベルアップしてきたかを振り返る。[個人][個人]第5時 <N社長にプレゼンしよう!①>学級を3つに分け,その中でプレゼンテーションをする。 提案内容を聞いて,学習が深まったり広がったりするための意見や質問を他グループが返す。[中集団] 第6時 <N社長にプレゼンしよう!②>学級全体に向けてプレゼンテーションをする。 提案を聞いてわかったことや気付いたことをメモする。内容について相互評価する。また,学習が深まったり広がったりするための意見や質問を他グループが返す。[学級全体] ①どのような産業が適しているかを考えるためには,地理的諸条件,資源,労働力(人口),他国とのつながり,現在の産業構造とその背景となる歴史や文化など,その地域の様々な特性を考え合わせる必要があり,アジア州で学習すべき事項を課題解決のために使うことができる。 ②他州での既習事項が活用できる。 ③現実に即したテーマである。 中学校 図書館教育 12 この単元では,最初に「分類ワークシート」を用いて教科書の内容を俯瞰させ,地域的特色を大観させた。その後,第2章で述べた「本との対話」「人との対話」「自分との対話」のカードを用い,子ども自身で学習を広げ,深められるように授業を構成した。子どもの学習内容に広がりが出るよう,学校図書館の資料を使って,自由に個々の問いを立てさせた。個々に追究した情報をもとに,テーマについてグループで考えさせた。授業を毎時間学校図書館で行うことにより,子どもたちが資料を繰り返し活用し,学校図書館と対話しながら課題を解決していけるよう配慮した。 子どもたちの学習テーマを「N社長アジア進出計画」とした主な理由は次の3点である。 上記のように,子どもにとって適度に身近で現実的なテーマを設定し,そのテーマについて考えるために既習事項や習得すべき事項を使うことで,子どもはテーマについて考えることを通して,学習内容について理解し,知識を使いこなしながら身に付けることができる。また,担当教師が社長になることで,子どもはより身近なテーマとして考えることができる。また,社長本人に意見を聞き,アドバイスを受けることもできる。子どもの振り返りの中には「もっと資金を集めたり,人手など,具体的,実践的な提案をすればよかった。N社長が遊んで暮らせるぐらい儲かる仕事を,地形や気候,環境から考えて,国を動かせる社長になっ
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