F0701 報告583現代は先の見えない激しい変化の時代を迎えている。このような社会の変化に対し,学校教育の中では社会に存在する課題を発見し的確に捉える力,一つの結論にたどり着いても,その先にある新たな課題に向かっていく力,自分を取り巻く社会をより良く変化させようとする意欲や態度を,子どもたちに育成する必要がある。 1年次の研究結果から,子どもが主体的に学びを深めるためには,自ら疑問や課題を発見し追究する力が不可欠であると考えた。2年次の研究では,子どもが主体的に学び続ける力を付けるため,学校図書館を活用し,子どもの問いを推進力として学びを広げ,深める学習について,実践研究を行った。 研究の中では,子どもの思考を可視化するため,3種類の「対話カード」を考案し,自分および外界との対話を通して,子どもが自ら立てる問いを連続させて学ぶ授業に取り組んだ。 研究を通して,子どもが自ら問いを立て,学校図書館で様々な対象と対話することで,主体的で深い学びを引き出すとともに,課題を発見し解決しようとする意欲や態度を育成することができた。また,学習テーマの設定,子どもの学びを見取り理解へつなげる力など,教師が考えていかなければならない事柄にも気付くことができた。 −学校図書館との対話を通して(中学校社会科の授業を例に)− 中町 夕子(京都市総合教育センター研究課 研究員) 自ら問いを立て 学び続ける力の育成(2年次)
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