図1-2 一斉読書の実施状況(H26全国学力・学習状況調査報うことである。インターネット上の情報は,分類されず,また,真偽も定かでないものが混在している。そのような情報を学習のために活用するには,その中から必要な情報を選びとったり,その情報を頭の中で分類して活用したり,より正確な情報にたどり着くために検索のキーワードを追加したり,出典を確認したりすることが必要となる。これらの力を付けるには,学校図書館での分類を意識した学習体験が生きると考える。 現在,学校図書館にも,インターネットに接続できる環境が整えられてきている。インターネット上の情報と図書資料の両方を使いこなす基礎として,学校図書館の魅力ある機能を活かした学習体験が必要である。 第3節 学校図書館を活用した授業の現状 図1-2は平成26年度全国学力・学習状況調査報告書(15)からの抜粋で,学校質問紙において「調査対象学年の児童生徒に対して,前年度に,『朝の読書』などの一斉読書の時間を設けましたか」の質問項目に対する中学校の回答を示したものである。 図1-2を見ると,一斉読書については,平成26年度調査で「基本的に毎日行った」と回答した中学校は63.8%であり,6割以上の中学校で,一斉読書に取り組んでいることが読み取れる。 一方,右上図1-3は,同報告書(16)において「調査対象学年の児童生徒に対して,前年度に,学校図書館を活用した授業を計画的に行いましたか」の質問項目に対する中学校の回答を示している。 図1-3を見ると,学校図書館を活用した授業については,平成26年度調査で「週に1回程度,またはそれ以上行った」「月に数回程度行った」と回答した中学校は合わせて9.6%であったのに対し,「年に数回程度行った」「行っていない」と答えた中学校は合わせて58.1%であった。この調査から,一斉読書に取り組んでいる中学校は多いが,学校図書館を活用した授業が日常的に行われている中学校は半数に満たないということがわかる。 では,京都市の現状はどうだろうか。図1-4は,平成25年6月に実施した本市中学校教員対象のアンケート調査(17)からの抜粋で,質問項目「あなたの学校では,平成24年度に,各教科等で学校図書館を活用した授業を行いましたか。」に対する回答結果を示したものである。 図1-4を見ると,「あまり行っていない」「行っていない」と回答した学校が合わせて57.1%と,半数を超えている。更に,「『あまり行っていない』『行っていない』と回答した方にお尋ねします。あなたの学校では,なぜ,各教科等で学校図書館を活用した授業が行われないと思いますか。あてはまるもの全てをお答えください。」との質問項目に対す告書) 図1-3 学校図書館を活用した授業の計画的な実施状況(H26全国学力・学習状況調査報告書) 図1-4 学校図書館を活用した授業の実施状況 中学校 図書館教育 5
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