図4-6はアンケート3における「分類ワークシートを使った学習」についての調査結果である。 図4-6 「分類ワークシート」を使った学習についての調査(2年) 【自由記述で回答する調査項目】 ◇「分類ワークシート」で学習した感想 ◇図書館を利用した学習で,新しい発見や興味をもっ図4-4 アンケート2Aの記述① この記述からは,「バイオ燃料」を異なる観点の資料からとらえようとしたことがわかる。また図4-5は同じ子どもの「図書館で資料を探したり使ったりするとき意識したことや工夫したこと」への回答である。 図4-5 アンケート2Aの記述② 倍,c:A校がB校の約1.8倍,d:A校がB校の1.4倍であった。eは両校とも6割以上であった。これらの結果を見ると,どの項目でも,A校がB校より肯定的かつ積極的に学校図書館を利用した学習をとらえていることがわかる。特に質問項目aの多角的な観点に関わる問い,質問項目bの深く追究することに関わる問い,質問項目cの複数の情報を統合して考えることに関わる問いで,「とても」と答えた子どもの割合に差が見られた。この要因として,第3章第3節で述べた「自ら課題を設定し追究する」授業を,A校のみ,学校図書館を3時間利用して行ったことが考えられる。この授業は,それまでの授業で行った学習方法を組み合わせたものであり,子どもたち自身がそれらの方法を使って自分のテーマを追究することを目的としたものである。「アフリカ州」の学習で多角的に課題をとらえる観点を意識し,「南アメリカ州」の学習で様々な角度からの情報を組み合わせることを意識し,「世界のさまざまな地域の調査」の学習で,自分の関心あるテーマを追究する際にそれらを使っていくことで,子どもたちは,よりはっきりと,物の見方や考え方を意識して学ぶことができたのではないかと考える。しかし,B校の割合も決して低いとはいえず,これらの授業で子どもたちに,少なからず,目標とした力をつける事ができたと考える。 図4-4は,アンケート2A「『分類ワークシート』を使ってテーマを決めたりそのテーマについて深く調べていくとき,意識したことや工夫したこと」の回答に見られた,ある子どもの記述である。 この記述からは,「環境」という事柄を深く追究していく中で,環境にとどまらず,環境に関連した「人々のくらし」など,その国の他の特徴も読み取ろうとしていると考えられる。 これらの記述から,この子どもは一つの事柄を複数の資料で観点を変えて理解しようとしているのと同時に,一つの課題を追究する過程でも,別の観点を意識しながら学びを進めていると考えられる。このような見方や考え方をすることで,この子どもは,自分の課題を単純に結論付けるのではなく,課題について考える中で,次の課題,また次の課題へと,自身の学びを更に広げ,深めていくことができるのではないかと考える。 <アンケート3> ここでは2年生対象に行ったアンケート3について述べる。アンケート3の質問項目は以下のとおりである。 【四件法で回答する調査項目】 ◆「分類ワークシート」を使った学習について a. 「分類ワークシート」は,教科書の内容を整理するのに役立った。 b. 「分類ワークシート」は,東北地方と他の地方を比べるのに役立った。 c. 「分類ワークシート」は,東北地方をさまざまな角度からとらえるのに役立った。 d. 「分類ワークシート」は,いくつかの分類を組み合わせて自分の意見を考えるのに役立った。 e. 「分類ワークシート」は,図書館で資料を調べるのに役立った。 たこと ◇図書館を利用した学習で良かった点,困った点 ◇今回の学習を通して考えたことや感じたこと 中学校 図書館教育 26
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