001総教C030705H27最終稿(菊谷)
25/32

あてはまらないあまりあてはまらないすこしあてはまるよくあてはまる 【六つの項目】 ①自分について ②対人関係について(相手を特定せず) ③友だちについて(主にクラスや学年) ④学級での意識や行動について ⑤担任について ⑥家庭や地域での様子について (計55問) 図3-20 アンケートの内容項目 1 わたしには,よいところがある。 2 わたしには,直したいと思うところがある。 3 わたしには,なかのいい友だちがいる。 4 わたしは,人の役に立つ人間になりたいと思う。 4 3 2 1 あなたについておしえてください 4 3 2 1 4 3 2 1 4 3 2 1 のを,ノートを見せながら」という具体的な姿を伝えることによって,改善させようとしている。 つまり,この発言も事例ⅨやⅩのように,学習活動の中でも,児童に相手意識をもつことが大切であることを伝えるとともに,他者に対する意識が十分にもてていない児童にそのことを意識させ,どのように行動化するかを具体的に伝えている事例である。 第2節 児童への調査 児童は,生育過程で家族や教師,友だちなど,周囲の多くの人から様々な影響を受けて,人権感覚を身に付けていく。当然,新たな学級担任による人権感覚の育成を目的とした取組が重ねられることで,児童の人権感覚や人権意識に何らかの変化が現れると考える。 本研究は,授業中の学級担任の発言を観察し,その中から児童の人権感覚の育成につながると思われるものを明らかにすることを目的としている。よって,調査の中心は,あくまで学級担任の授業中の発言であり,どのような発言が,どのような場面で,どのように発せられているかを調査し,その前後の児童の姿や発言と関連付けて分析する。しかし,本研究が学級での全ての発言を観察・調査することができないということを考えると,学級担任の一つの発言に対する児童の反応や発言だけでは,それが本当に児童の人権感覚を高めることにつながっているかどうかを判断することは難しい。そこで,授業観察開始時と終了時に,児童に自尊感情や他者に対する意識についてのアンケートを実施し,学級担任の発言分析のための資料の一つとして活用することにした。 アンケートは,全国学力・学習状況調査[児童質問紙]や京都市教育委員会学校指導課「クラスマネジメントシート」などを参考にして作成した。 図3-19は,児童対象に行った意識調査アンケートの一部である。 本アンケートでは,六つの項目を設定した。図3-20は,アンケートの内容項目である。 このアンケートの集計結果は,第4章において,学級担任の発言分析と関連付けて,必要な内容について記載することとする。 第1節 授業観察から明らかになったこと 授業中の教師の発言に焦点を当てた授業観察記録を整理,分析していく中で,図4-1のような流れが見えてきた。 図4-1をもとに,本研究から見えてきた「自分の大切さとともに,他の人の大切さを認めることのできる児童の育成」につながる学級担任の発言についてまとめていく。 図3-19 児童意識調査アンケートの一部 図4-1 1時間の授業の流れと学級担任の発言 人権教育 23 第4章 本調査からみえてきたこと

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る