001総教C030705H27最終稿(菊谷)
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目 的:授業中の教師の発言内容や表情及び, ○観察の方法 図3-2 授業観察用シート (2)授業観察 ICレコーダーによる音声記録 授業観察の方法は,観察者が実際に各学級に赴き,1時間の授業の中での見えてくること,聞こえてくることなどをありのままに観察,記録するという「参加観察法」を用いた。 「参加観察法」には,「参加的観察法」と「非参加的観察法」があるが,本調査研究では,調査対象(学級担任及び学級の児童)と親しい関係をもちつつも,学級集団と一定の距離を保ち,その集団の活動に影響を与えないように観察するという「非参加的観察法」を用いた。 授業を観察し,記録する位置は,学級全体の様子が見える教室の後ろ角に設定した。しかし,学級担任の発言,及び児童のつぶやきや反応などを詳細に観察,調査するために,授業の内容や場の設定によっては,観察,調査する場所を変更することや途中で移動することやあった。 ○観察の記録 授業観察用のシートを準備し,学級担任の授業中の発言を「説明する」・「指示する」・「発問する」・「ほめる」・「注意する」の五つのカテゴリーに分類して記録した。 図3-2は,本研究で使用した授業観察用シートである。 全体:学級の児童全体に対する学級担任の発言 個人:個人に対する学級担任の発言 児童:児童の発言及びつぶやき 児童の発言やつぶやき,表情を記録 し,児童の人権感覚の育成につながる 学級担任の発言を調査する。 調査期間:7月から11月(8月を除く) 調査回数:各学級14回 方 法:非参加的観察法 人権教育 12 説明する ・学習内容についての説明 指示する ・学習活動の進め方についての指示 発問する ・発問 ほめる 注意する ・学習態度についての注意 その他 記録する際には,この五つのカテゴリーが,学級の児童個人にかけられたものか,あるいは学級集団全体にかけられたものかにも分けて記録した。更に,その発言の前後の児童の発言やつぶやき,反応なども併せて記録した。 表3-1は,学級担任の発言内容を五つのカテゴリーに分類する際の視点である。 表3-1 発言内容分類の視点 本研究では,教師の発言,児童の発言や反応などをより詳細に記録するために,授業観察用シートへの記録と共に,ICレコーダーによる音声記録も行った。授業観察後に,これらの記録をもとに1時間の授業の様子を整理した。 授業観察後に記録を整理し,学級担任の発言とその前後の児童の発言や反応,また,様子などをもとに,児童の人権感覚の育成につながると考えられる学級担任の発言(主に,児童個人の学力保障につながるものや,自尊感情,学習意欲に影響を及ぼすと考えられる発言,また,児童と児童の人間関係や学級の雰囲気に影響を及ぼすと考えられる発言)を調査した。 また,学級担任の発言を様々な角度から分析するために,各カテゴリーの回数やそれぞれの発言時間などについても調査・分析を行った。 ・教材・資料についての説明 ・学習活動の進め方についての説明 ・児童の発言内容や学習活動の様子を受けての補足説明 など ・学習準備についての指示 ・発言や活動を促す指示 など ・学習活動についての肯定的な承認 ・学習活動についての称賛 ・学習活動についての肯定的な価値 付け ・学習行動や態度についての肯定的 な承認 ・学習行動や態度についての称賛 ・学習行動や態度についての肯定的 な価値付け など ・学習活動についての修正 など ・上記以外の発言

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