Ⅳ校㋐Ⅳ校㋑ <担当者> Ⅱ 校 Ⅲ 校 表4-1を見ると,直接的な連携はⅡ校1.00分,Ⅳ校㋐0.40分,Ⅳ校㋑1.00分,間接的な連携②「窓口連携」はⅡ校1.62分,Ⅳ校1.30分と増加している。つまり,実践前と比べ実践後の方が,連携時間が長くなっていたことがわかる。Ⅲ校の連携時間の増減を見ると,連携時間としては減っているが,実践前後の調査ともに連携時間が他校と比べ長く,実践後においても時間の確保がされていた。 では,日常的な連携を通して,どのような内容の情報交換が行われていたのだろうか。表4-2は,担当者と学級担任との連携内容の変容をまとめたものである。連携内容は,「手立て(教材や指導・支援の内容)」,「成果(~ができた,~が頑張れたなど)」,「課題(~が難しい,~で困っているなど)」の項目とし,連携時にこれらの項目が含まれているかをチェックした。直接的な連携は,連携時に出現する頻度として,「手立て」「成果」「課題」に分けて表している。頻度の算出は,(出現回数)÷(連携回数)である。間接的な連携①「連絡ノート」は,ノートへ記述される割合として,「手立て」「成果」「課題」に分けて表している。割合の算出は,(出現回数)÷(記述全文)である。 表4-2 担当者と学級担任との連携内容の変容(%) 増 減 +25.0 +12.5 +12.5 +5.6 +23.2 +3.4 増 減 +8.3 +20.8 -4.2 +8.0 +18.4 +0.8 増 減 +20.0 +20.0 0.0 +4.3 +16.6 +6.9 増 減 +25.0 +12.5 +12.5 -1.5 +23.0 -9.9 「手立て」の項目を見ると,直接的な連携ではⅡ校25.0ポイント,Ⅲ校8.3ポイント,Ⅳ校㋐20.0ポイント,Ⅳ校㋑25.0ポイント増加した。そして,間接的な連携①「連絡ノート」では,Ⅱ校5.6ポイント,Ⅲ校8.0ポイント,Ⅳ校㋐4.3ポイント増加した。学級担任との連携,特に直接的な連携を通して,「手立て」に関する内容の情報交換が実践後に多く行われるようになったことがわかる。 また,「成果」の項目を見ると,直接的な連携直接的な連携 手立て 成果 課題 手立て 成果 課題 実践前 0.0 0.0 0.0 21.3 25.5 6.4 実践後 25.0 12.5 12.5 26.8 48.8 9.8 実践前 16.7 16.7 16.7 29.3 11.1 11.1 実践後 25.0 37.5 12.5 37.3 29.4 11.8 実践前 0.0 0.0 0.0 22.2 11.1 実践後 20.0 20.0 0.0 26.5 27.7 実践前 0.0 0.0 0.0 33.3 12.5 20.8 実践後 25.0 12.5 12.5 31.8 35.5 10.9 間接的な連携① 「連絡ノート」 ではⅡ校12.5ポイント,Ⅲ校20.8ポイント,Ⅳ校㋐20.0ポイント,Ⅳ校㋑12.5ポイント増加した。そして,間接的な連携①「連絡ノート」では,Ⅱ校23.2ポイント,Ⅲ校18.4ポイント,Ⅳ校㋐16.6ポイント,Ⅳ校㋑23.0ポイント増加した。学級担任との直接的,間接的な連携を通じて,「成果」に関する内容の情報交換が実践後に多く行われるようになったことがわかる。 下の枠は,実践後に学級担任と窓口役,そして担当者へ聞き取った日常的な連携に関する内容をまとめたものである。 枠内の実線で示したように,学級担任と窓口役共に積極的に担当者との連携を図ろうとしていたことがわかる。特に,学級担任は担当者と直接会って情報交換しようと,意識した連携を行っていた。そして,△で示したように,窓口役は学級担任と担当者との情報交換を補うことを意識し連携を行っていた。また,▲で示したように,担当者は役割分担のある円滑な連携が進められていたと認識していることがわかる。このことから,意識的かつ組織的に日常的な連携が図られた結果,連携時間の確保につながったと考えられる。 更に,◇や◆で示したように,学級担任,担当者共に,日常的な連携を図ることで,相互の学びの場において目標達成となる効果的な指導・支援ができることを感じていたことがわかる。具体的には,表4-2に示した「手立て」や「成果」といった連携内容の変容に表れていると考えられる。ま※記号や下線,( )は,筆者によるもの <学級担任> ・(担当者と)話そうとしないと話せない。「どうしても」という時は,子どもと一緒に通級教室まで行き,話すようにしている。 ・(担当者に)会って直接伝えようと思っている。 ◇連絡ノートは,子どもを知る情報源になっている。 ◇情報交換をすることで,子どもを褒めることが増えた。 <窓口役> ・必要な情報を(担当者へ)伝えようとしている。 △(担当者と)学級担任との連携が基本だが,直接(的な)連携が難しいため,つなぎ役だと思っている。 ▲連携の型が決まることで,窓口役の先生との連携もしやすくなった。 ◆情報のやり取り(双方向の情報交換)は指導に直接結び付くことが多かった。子どもの状態をわかって指導すると,こんなに違うんだと感じた。 ◆もっと子どもの様子を知りたいと思うようになった。 2.8 9.6 小学校 特別支援教育 25
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