001総教C030705H27最終稿(景山)
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◆指導内容:普通学級 校時を基本 LD等通級指導教室 個別ケース会Ⅰでは,進行表と個別の指導計画を基に,対象児童の困りと在籍学級でのこれまでの指導・支援の経過を共有する。そして,対象児童の困りの改善・克服に向けた指導・支援の方向性,通級による指導が担う役割などを検討した。また,指導開始までのスケジュールを確認し,基本の指導日時や保護者面談など学校の予定と合わせて打合せを実施した。 次に,保護者面談である。授業参観や個別ケース会Ⅰの後,担当者による保護者面談を実施した。必要に応じて,担当者と保護者のつなぎ役として管理職や学級担任が同席したり,自己紹介の際に立ち会ったりした。面談では,成育歴をはじめこれまでの成長の過程や保護者の願いをうかがう。そして,授業観察や個別ケース会Ⅰを通じて検討した指導・支援の方向性を提示し,指導目標や指導内容について確認した。更に,指導開始後からの連絡ノートを活用した情報交換やその後の保護者面談の予定などについて共通理解をした。 最後に,連携会議として個別ケース会Ⅱを開催した。新規の巡回校においては,個別ケース会Ⅰのメンバーに加え,窓口役の先生も参加し,個別ケース会Ⅱを行った。 図3-18は,個別ケース会Ⅱの様子である。個別ケース会Ⅱでは,個別ケース会Ⅰと同様に円滑な会の進行を目指し,右上図3-19に示す進行表を使用した。 進行表を基に,保護者面談の内容を共有し,指導開始前に通級による指導の目標及び指導内容の検討をした。そして,年間の連携計画を提示し,定期的な連携の時期や日常的な連携を進めるための窓口連携についても確認した。新規の巡回校の場合,開始までの手順が不明確なため,担当者がより主体的に指導開始の過程を進めていく役割を担っていた。 次節は,指導終了の過程における連携について述べる。 第3節 指導終了の過程における連携 本実践の期間中において,通級による指導の終了に至った事例はなかった。しかし,次ページの枠内に示す協議が,個別ケース会で行われていた。 枠内の二重線で示したように,担当者からの意見を契機に進行役が,通級による指導の必要性を問いかけている。そして,対象児童の成長,集団適応できつつある状態と通級による指導の必要性とを共有しつつ,指導回数を減らすという方向性の協議を行っていた。また,破線で示したように,終了に向けて必要とされる在籍学級及びLD等通級指導教室での指導・支援の検討も行っていた。 図3-19 個別ケース会Ⅱの進行表(一部) 図3-20は,指導開始直後に学級担任と担当者によって記述された連絡ノートである。 図3-20 指導開始直後の連絡ノート(一部) 担当者は,指導後に対象児童を在籍学級へ送り届け,LD等通級指導教室での活動の様子を直接伝えた上で,図3-20に示すように連絡ノートに記入していた。また,学級担任はその後の在籍学級での様子について連絡ノートへ記入していた。これらの連携は,指導開始の過程における連携を通じて,相互の役割分担や連携の仕方を確認したことによる効果であることが確認できる。 小学校 特別支援教育 23 図3-17 個別ケース会Ⅰの進行表(一部) ④ 今後の予定の確認 ・指導開始までの流れの確認 ・授業観察や保護者面談の日程調整 ・基本の指導日時の調整 ⇒ 曜日 ⑤ 個別ケース会Ⅱの開催時期の確認 ⇒ 月 日( )を目途に行う 図3-18 個別ケース会Ⅱ ④ 指導目標(長期,短期)と指導内容の検討 ◆長期目標: ◆短期目標:① ② ③

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