001総教C030705H27最終稿(景山)
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いても把握することができた。 図3-4は,学校行事に向けた活動の観察の様子である。運動会や学習発表会などの学校行事についても,日程調整の可能な範囲で行事参観をしたり,本番に向けた活動の様子の観察をし たりし,集団への適応状況の把握に努めた。 図3-5は,学級訪問時に使用した観察記録用紙である。 全ての項目を確認するのではなく,対象児童の実態に応じて観察し,用紙に記録した。また,対象児童のみならず,他児や教室の様子など対象児童を取り巻く環境要因や指導・支援の様子にも目を向けるようにした。 下の枠は,学級訪問や学校行事に向けた活動の観察後に担当者へ聞き取った内容である。 担当者への聞き取り内容からわかるように,学級訪問や学校行事に向けた活動の観察では,対象児童の学級や学年といった集団への適応状態の把握ができ,通級による指導の効果の確認につながっていた。また,個別ケース会での指導・支援の検討を効率的に進めるために効果的であった。 日程については,指導の空き時間もしくは指導時間を学級訪問に充てて実施した。しかし,担当者は基本的には空き時間がないため,指導時間を学級訪問に充てることが多かった。 ◆直接的な連携「校内委員会(個別ケース会)」 学級訪問の実施後に,個別ケース会を開催した。 図3-6は,個別ケース会の様子である。個別ケース会を円滑に進めるため,連携計画の策定,進行役の割り当てと進行表の 作成,そして個別の指導計画の資料提示の三つの工夫を行った。以下,この三つの工夫について述べることとする。 一つ目に,連携計画の策定についてである。先述したように,連携計画は,夏季休業中もしくは夏季休業明けの指導1回目の日に実施した連携会議にて策定した。そして,連携計画にしたがって,担当者と連携の窓口役とで日程調整を行い,個別ケース会を開催した。 連携計画を策定したことにより,あらかじめ設定した個別ケース会の時期が近づいた際に,学級担任と窓口役,担当者が見通しをもって日程調整を行うことができた。しかし,担当者,巡回校教員共に見通しをもってはいたが,日程調整をする段階において相互の予定が合わず,時期を変更したり構成メンバーの修正をしたりと,臨機応変に対応する必要が生じた巡回校もあった。 二つ目に,進行役の割り当てと進行表の作成についてである。個別ケース会の構成メンバーは,学級担任,担当者,管理職に加え,総合育成支援教育主任,及び対象児童に関係する教職員とした。そして,多面的に対象児童の情報や意見を共有するため,進行役を総合育成支援教育主任とした。そして,図3-7に示す個別ケース会の進行表を作成し,進行役はそれに沿って進行した。 三つ目に,個別の指導計画の資料提示についてである。観点を絞った情報交換と指導目標の評価,そして次期の目標や内容の設定が効率的に行える④ 今後に向けての検討 ・通級による指導の継続・終了の判断 継続 ・ 終了 ・次期の短期目標や具体的な指導・支援の検討 (及び,終了に向けた流れの確認) ⇒ 図3-5 在籍学級観察記録用紙(一部) ・対象児童と他児とのやり取りの様子を直接観察することができ,人との関わり方の確認になった。 ・指示への反応(適応)を把握することができた。 ・ケース会の時に学級担任から提示される情報がより確かなものとしてイメージすることができた。 ・観察後に,学級担任と情報交換できる機会ができた。 図3-4 学校行事に向けた活動の観察 図3-7 個別ケース会の進行表(一部) 小学校 特別支援教育 17 図3-6 個別ケース会

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