第1節 指導中における連携 (1)連携会議 まず,連携方法の明確化を行うための連携会議について述べる。 図3-2は,連携会議の様子である。管理職,総合育成支援教育主任,学級担任,担当者を基本構成とし,夏季休業中もしくは休業明 けの指導初日に行った。 連携会議では,連携の目的を確認した後に,定期的な連携と日常的な連携の具体とその方法,およその日程について協議した。協議の中では,13ページに示した表2-4年間の連携計画及び表2-5連携確認シートを使用した。 定期的な連携については,学級訪問(授業観察)や校内委員会(個別ケース会),そして保護者面談といった具体的な連携内容の計画を策定した。また,各校の実態に応じて,児童理解と校内体制での指導・支援につながるよう,総合育成支援教育部会や校内研修会への参加を計画した。総合育成支援教育部会はLD等通級指導教室に通う児童の情報交換や指導・支援の検討を行う情報交換会であり,校内研修会は発達障害の特性やLD等の支援を要する児童理解とその具体的な指導・支援の方法の研鑽を積む研修会としての位置付けである。 日常的な連携については,連絡ノートや窓口役との情報交換の方法の再確認を行った。連絡ノートに関しては,担当者と学級担任との直接的な連携の時間を確保することが難しいため,それを補う重要な連携ツールとなっている。そこで,より詳細な内容の情報交換を目指し,必要に応じて可能な範囲で活動の成果物やそのコピーを添付することを共通理解した。 表3-1,表3-2は,連携会議で策定した各通級エリア校における連携計画をまとめたものである。 表3-1 通級エリア校Aにおける主な連携計画 図3-2 連携会議 表3-2 通級エリア校Bにおける主な連携計画 小学校 特別支援教育 16 通級エリア校Aは表3-1の通り,個人懇談会の実施予定である12月を定期的な連携の時期とし,学級訪問(授業観察),校内委員会(個別ケース会),保護者面談を実施する計画を策定した。また,巡回校であるⅠ校,Ⅱ校ともに実施時期や構成メンバーは違うが,児童の情報交換及び指導・支援の検討を行う総合育成支援部会を計画している。そこで,設置校との日程調整を行い,巡回校での総合育成支援部会へ参加する計画を策定した。 通級エリア校Bは表3-2の通り,前期末である10月を定期的な連携の時期とし,学級訪問(授業観察),校内委員会(個別ケース会),保護者面談を実施する計画を策定した。7月末から巡回による指導を開始したⅤ校においては,指導回数等を考慮し個人懇談会を予定している12月に定期的な連携を計画した。また,Ⅲ校,Ⅳ校においては,両校からの要望により,B研究協力員が講師となり夏季休業中に総合育成支援教育に関する校内研修会を計画した。 次項は,連携計画に沿って実践した定期的な連携について述べる。 (2)定期的な連携 ◆直接的な連携「学級訪問(授業観察)」 校内委員会(個別ケース会)の開催前に,担当者による学級訪問(授業観察)を実施した。学級担任へは,対象児童の学級への適応状況がわかる教科を時間割として組んでもらうよう依頼し,訪問する日時と合わせて学習内容の調整を行った。 図3-3は,学級訪問の様子である。学級訪問では,学級内での対象児童の活動への参加度や指示理解の状況など,学習の様子を把握すること ができた。また,学習の様子と合わせて,授業前後の休み時間の過ごし方や他児と関わる様子につ図3-3 学級訪問
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