図3-1は,本実践を行った二つの通級エリア校を表したものである。 第3章 担当者による通級エリア校との連(9) 大塚雄作『改訂版 社会調査の基礎』 日本放送出版協会 2001.3 p.125 (10)前掲(6) pp..21~22 (11)前掲(6) p.25 継続していると考える。なぜなら,指導終了が適切であったかどうかの確認や,その後の変容に応じた指導・支援の検討といった校内連携,そして保護者面談といった保護者連携を適宜進めていく必要があるからである。 図2-6は,筆者が昨年度の研究において作成した通級による指導終了への道筋(15)である。指導の終了においては,指導目標の達成と在籍学級や家庭においての環境整備の完了が一つの目安となる。指導開始への道筋同様に,スモールステップで道筋を進めていくことが円滑な指導終了につながると考える。 具体的には,校内委員会(個別ケース会)や保護者面談の実施後に指導の終了を迎えるが,その後の支援としての第3ステップを指導終了の道筋として設定している。第3ステップを確保することで,指導終了後の実態の共有や必要な指導・支援の検討などを行うことができる。指導の終了が適切であったかどうかの確認を行う観点からも,第3ステップを通じて,個別の指導計画の評価・修正を行うことは重要である。 また,保護者支援の一環として,指導終了への道筋を第1ステップ当初から提示する。保護者自身が不安を少しでも解消でき,指導終了に対して見通しがもてるような支援となる工夫も必要であると考える。 次章では,担当者と通級エリア校との効率的な連携を目指し行った研究協力校での教育実践について,実践例を示しながら述べることとする。 (12)牧野泰美,他「言語障害のある子どもの通常の学級における障害特性に応じた指導・支援の内容・方法に関する研究-通常の学級と通級指導教室の連携を通して-」独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 2014.3 p.107 (13)前掲(1) p.9 (14)景山功一「LD等通級指導教室の年間運営計画(試案)」http://www.edu.city.kyoto.jp/sogokyoiku/kenkyu/outlines/h26/seika/574/574-01.pdf p.2 2016.3.4 (15)前掲(14) 通級エリア校Aは,設置校を含む3小学校で編成しており,A研究協力員が担当している。内訳は,設置校(児童数11名,週12時間の指導)に加え,巡回校であるⅠ校(1名,週2時間の指導)とⅡ校(1名,週2時間の指導,更に12月より1名,週1時間指導が追加)がある。 通級エリア校Bは,設置校を含む4小学校で編成しており,B研究協力員が担当している。内訳は,設置校(10名,週14時間の指導)に加え,巡回校であるⅢ校(1名,週1時間の指導)とⅣ校(2名,週3時間の指導,更に10月より1名,週1時間指導が追加),そして7月末に新規に巡回校となったⅤ校(2名,週2時間の指導)がある。 本章では,担当者による通級エリア校との効率的な連携を図ることを目指し行った研究協力校での教育実践の具体について述べる。 図2-6 通級による指導終了への道筋 図3-1 本実践を行った二つの通級エリア校 小学校 特別支援教育 15 携の実際 通級エリア校A 通級エリア校B
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