001総教C030705H27最終稿(景山)
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小学校 特別支援教育 14 滑な指導開始につながると考える。設置校の場合,通級による指導は,校内委員会(個別ケース会)や保護者面談を受けて,最終的に学校長が指導開始の判断を行う。担当者は,事前に校内委員会(個別ケース会)や保護者面談へ参加していることが多いため,円滑に指導の開始を行うことができる。 一方,巡回校の場合,本市では図2-5に示す第5ステップにて,担当者が本格的に児童の実態把握などを行うこととなる。この第5ステップを円滑に進めるためには,担当者と巡回校との連携は欠かすことはできない。なぜなら,6ページ図1-8に示す具体的な連携内容の実施率からわかるように,担当者は巡回校での校内委員会(個別ケース会)への参加をしていないことが多いからである。 実際に巡回校は,第3ステップ後,まず,本市教育委員会にある総合育成支援課へ指導の要請を行う。次に,巡回校からの指導の要請を受けた総合育成支援課の指導主事は,学校訪問を行い,児童観察や指導経過などの情報収集を進めた上で,通級による指導の必要性の判断を行う。そして,第5ステップとして,担当者が児童観察や指導経過などの情報収集,更には保護者面談を進め,通級による指導の目標や内容を検討する。 このことから,巡回校の場合,限られた時間の中で通級による指導の指導計画を作成し,巡回による指導の開始をすることが求められている。そ (4)指導終了の過程における連携 通級による指導における連携は,指導終了後ものため,担当者の専門性も必要となっている。 そこで,担当者と巡回校とが事前に指導開始までの道筋の共有を図っておく。そして,校内委員会(個別ケース会)や保護者面談を通じて,児童・保護者の願いを含めた実態把握と在籍学級や学校全体,家庭において必要な支援を明らかにした上で,LD等通級指導教室における指導目標や内容の設定を行う。また,総合育成支援課の指導主事から担当者への引継ぎや保護者と担当者との面談などを含め,必要に応じて参加者を考慮して行うことで,円滑な指導の開始を行うことができると考える。 この連携確認シートは,連携会議にて協議,調整した連携内容の時期や進め方,窓口役を各者が常に確認できるようにするために作成した。 各者が年間の連携計画と合わせて連携確認シートを確認しながら,通級エリア校の教職員間で共有化し,目的をもった定期的な連携や日常的な連携を進める。そして,計画性のある定期的な連携や継続性のある日常的な連携が円滑に進められているかの評価を通して,連携の効率化が促されると考える。特に,定期的な連携については,あらかじめ各連携内容の時期を協議しておくことで,各者が見通しをもって連携を進めることができ,効率化が図られる。 (3)指導開始の過程における連携 通級による指導における連携は,指導開始前から始まっていると考える。なぜなら,児童の学習上や生活上の困りの気づきから,校内委員会(個別ケース会)や保護者面談を通じて,実態把握と指導・支援の検討を進めているからである。 図2-5は,通級による指導開始への道筋を示したものである。そして,筆者が昨年度の研究において作成した通級による指導開始への道筋(14)を設置校と巡回校に分けて整理し,更に巡回校においては開始までの第4,第5ステップを加筆したものである。 図2-5 通級による指導開始への道筋 設置校,巡回校いずれにおいても,スモールステップで道筋を進めていくことが,最終的には円

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