001総教C030705H30大栢最終稿
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②帯活動 ・これまでは帯活動がそれぞれ独立したものになっていたが,最後のパフォーマンスにつながる帯活動を仕組めるようになった。 ③ペア・グループ活動 ・相互評価をうまく機能させられるようになった。 <学びの可視化> ①見通しと振り返りのデザイン化 ・英語科の特質をとらえた見通しと振り返り活動(内容面と言語面からの振り返り等)の仕組みについて知ることができ,次の学びへつながる振り返り活動を含んだワークシートを作成するようになった。 ②英語学習ポートフォリオ ・目標達成に向かって一歩一歩階段を駆け上がっていけるように,日々の授業をどう構築するかを考え,指導に前向きになった。 図4-3 より効果的なユニットラウンド制の構造図 リーディング・ラウンドを二段階に分け,リスニング・ラウンドとリーディング・ラウンド①では,これまで通り,全パートを貫いて言語活動を行う。そして,リーディング・ラウンド②において,パート毎に指導を展開し,生徒たちに無理なく新出単語や言語材料の定着を図る。その後,スピーキング及びライティング・ラウンドで再び全パートを貫いた展開をすることで,全体→詳細→全体の形を崩すことなく,効果的にユニットラウンド制を導入できることがわかった。 また,各ユニットの指導にどう軽重を付けるのかについては,教科書の配列を一年単位で逆算する必要がある。例えば,第3章第1節の表3-2で提案しているように,本文の内容理解に特化したライトユニットでは,そこで扱った言語材料の定着が不十分に終わるのではないかという不安材料が残る。しかし,そのユニットの後に,Presentationのセクションなどでそのユニットの言語材料を活用する機会があれば,そこで言語材料等の定着が担保できよう。 120 ・パート毎に明日の授業をこなすという目先の指導に追われていたが,単元単位で見通しをもって授業をデザインすることができた。 ・ラウンド毎に学習を進める中で,生徒がどこにつまずいているのかの把握ができ,全体にフィードバックするなど,次の指導につながった。 ・語句や言語材料など,すべて教授した後で教科書の内容理解に迫っていたが,それらを遅らせた状態でリスニングやリーディングをさせることの意義を知った。 ・リスニング・ラウンドの後に本文を活用し,言語材料の導入・練習を意味のある文脈の中で行えるようになった。 ・年間→学期→単元→各時間の逆向き設計で授業を構築するという見方をするようになった。 ・CAN-DOリストが絵に描いた餅状態になっていたが,それを活用して,英語学習ポートフォリオに落とし込むことによって,「何ができるようになるのか」を見据えて,学期単位でパフ ォーマンス課題を仕組む大切さがわかった。 ・英語学習ポートフォリオがあることで,生徒が各々違う自分の目標をもっていることがわかり,その目標を達成 させるための授業を創りたいという英語指導へのモチベ ーションがより高まった。 <その他> ・複数の領域を統合した出題に向けて,総括テストの在り 方を見直している最中である。 ・教科書を活用して,どのようにして生徒に力をつけられ るか悩んでいたが,4技能5領域すべてを網羅できる指導 のあり方が見えた。 ・単元全体を見渡すことができるようになった結果,生徒 が興味をもって取り組めるように教科書のトピックをいかに味付けするか,工夫するようになった。 ここからは,つながりのある言語活動としてユニットラウンド制を導入し,それと並行して帯活動を組み込むことで,指導者自身の授業設計力があがったこと,そして見通しと振り返りのデザイン化や学習ポートフォリオを使用することで,生徒の課題を把握し,次の指導につなげることに意識が向いており,指導者の指導改善につながる有効な手立てとなったことがわかる。 中学校 英語科教育 28 第2節 今後の課題について (1)指導者の振り返りから見えた課題 これらの指導者への聞き取りから見えてきた課題について,対策を考えていく。 ◆より効果的なユニットラウンド制の提案 ユニットラウンド制では,リーディング・ラウンドにおいて全パートの新出語句及び言語材料導入,音読練習を行うため,生徒たちに負荷がかかっている可能性が出てきた。そこで,より効果的なユニットラウンド制について考え,実践した。 図4-3はその構造図である。 ・各ユニットの軽重を付ける場合,指導経験が浅いため,どのユニットを軽くしてもいいのかの判断ができない。また,軽くしたユニットの言語材料等が定着するのかが不安である。 ・単語や言語材料の導入を,Part 1~Part 4まで一気にすることになり,生徒が整理できているか心配である。

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