表3-2 各ユニットのパターン 言語材料の関連により複数のユニットを統合して横断的にパフォーマンスを行う統合型ユニットなど,年間計画の段階で各ユニットに軽重を付けることで,時数の問題の解決を図る。 図3-1 ユニットラウンド制の言語活動と帯活動の単元構成 この図はリスニング・ラウンドからライティング・ラウンドまでを単元のどこで扱うかを示しているが,一般的な教科書を使用しての指導と大きく違うのは,ラウンド毎にPart 1~4までを通して学習するため,指導者は単元構想をしっかり練り,パフォーマンス課題からの逆向き設計をする必要があることである。リスニング・ラウンドからリーディング・ラウンドの初期段階においてはPart 1~4の全体像をとらえる活動をし,リーディング・ラウンドの中盤で内容理解と語句・言語材料等の詳細へと焦点を移してい中学校 英語科教育 15 では,各ラウンドや帯活動をどのように単元構成に位置付けていけばいいのであろうか。 図3-1は表3-2の中で重点化ユニットとして位置付けているUnit5「Universal Design」におけるラウンド制の言語活動と帯活動の単元構成である。 107 った実践について述べていく。使用している教科書は,『New Horizon English Course 1, 2<東京書籍>』である。A中学校ではUnit 4「Homestay in the United States」,Unit 5「Universal Design」の二単元,B中学校ではUnit 4「ホームパーティー」,Unit 5「学校の文化祭」,Unit 6「オーストラリアの兄」の三単元において実践を行った。 第1節 つながりのある言語活動の実践 本節では,ユニットラウンド制を用いた授業構成と,各ラウンドのアプローチについて述べていく。 (1)ユニットラウンド制の実践 ①授業の構成 本研究においては,ユニットラウンド制だけで授業を展開するのではなく,帯活動も充実させている。表3-1は基本的な授業構成を示したものである。 表3-1 ラウンド制を導入した授業の構成 これらの帯活動は,教科書のトピックやその単元で扱われる言語材料と関連付けて行うため,教科書中心の言語活動であるユニットラウンド制と並行して行うことにより,相乗効果が生まれ,単元の終末に行うパフォーマンス課題をより充実させられると考える。パラフレーズ練習やインタラクション練習,システム音読は昨年度の研究内容の一部であり,その詳細については昨年度の研究論文を参照いただきたい(31)。英作文については,次節のパフォーマンス課題の実践において述べる。 また,ユニットラウンド制による言語活動の末にパフォーマンス課題を必ず各単元に組み込まねばならないとなると,年間時数に無理が生じる。そこで,教科書のユニットに軽重を付けることで限られた時数でも有効に活用できないかと考えた。 表3-2は各ユニットのパターンを示したものである。 パフォーマンス課題にかける時間とそれに向けての過程をしっかりとる重点化ユニットもあれば,教科書のストーリー・リテリングを最終目標としたベーシックユニット,さらにはラウンド制のリスニングとリーディング・ラウンドのみを行い,内容理解に特化するライトユニット,トピックや
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