001総教C030705H30西村最終稿
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A児 ビニールハウスの中でミツバチを飼っている農家があるそ うです。よし子さんは,どうしてビニールハウスの中でミ ツバチを飼っているのか不思議に思い,ビニールハウスの 中のミツバチの様子を観察してみました。すると,イチゴ の花にみつを吸いに来たミツバチのおしりに,たくさんの 黄色い粉のようなものがついていることに気づきました。 図3-20 論述確認テストにおける子どもの記述 ことは意識させることできたが,解釈する力である理由に当たる部分を思考・判断し,表現する力がまだ十分でないことによるものだと考えている。理由付けが不十分であり完答とならなかった子どもたちには,テストを返却する際,「花粉をつけることとイチゴがたくさんできることの関係を示して書くといいよ」と理由が不明瞭だったことを助言した。また,指導者は次の単元において,子どもの表現に事実や証拠を示されているか気をつけて指導を行うといった,自身の指導改善に活かすことができた。 イチゴをビニールハウスで栽培している農家の中には, ①ミツバチのおしりについている黄色い粉は,イチゴの花から出たもののようです。 この黄色い粉は何ですか? ②よし子さんとりか子さんは,どうしてミツバチを飼っているのか話し合いました。 <りか子さん> よし子さんとりか子さんの意見のどちらにさん成できますか。また,選んだわけを書きましょう。 さんの意見にさん成 わけ 図3-18「植物の実や種子のでき方」論述確認テスト 図3-20のB児の記述を見ると,「ミツバチがかふんをめしべにつけるから」という事実や証拠に基づいて考えているものの,「花粉をめしべにつける」ということが「どうしてたくさんのイチゴの実ができるか」という主張につながる理由が不明瞭である。このB児のような記述は他にも,見られた。これは指導により,事実や証拠となる根拠を示す ミツバチを飼っていると,ミツバチが すったみつをイチゴに分けてくれて, おいしくなるんじゃないかな。 ミツバチを飼っていると, たくさんイチゴの実ができるんじゃないかな。 *太枠は問題に正対する主張を選択している解答 図3-19 「植物の実や種子のでき方」の記述の分析結果 記述と,準正答の子どもB児の記述を示す。 <よし子さん> 小学校 理科教育 21 B児 167 (4)第5学年「流れる水のはたらき」 <論述確認テスト作成に向けて> 授業では川岸の様子に着目しながら,流れる水のはたらきについて学んできた。そこで,このテストでは,川岸だけでなく流れる水のはたらきを川底に適用させるとどのように考えられかをねらった。そこで,問題文では川の外側と内側という表記をせず,A側とB側とすることで,第①問でA側とB側の水の流れる速さの事実に基づいて第②問における川底の様子として考えられるものを思考・判断し,表現することをねらいとした。このような視点で作成したテストを次頁図3-21に示す。 <論述確認テストの結果> ①の問題に対する正答率は72%であった。このことから子どもたちは,川の内側と外側では流れる水の速さが違うことについてとらえていることが分かる。そして,②の問題に対し,子どもの記述の分析結果を次頁図3-22に示す。 図3-22を見ると,事実や根拠に基づき理由を加

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