001総教C030705H30西村最終稿
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図3-11 「わたしたちの体と運動」論述確認テスト いて理解していると考える。次に,②の問題に対して,選択した図に対する記述内容を分析した結果を右上図3-12に示す。 164 私たちが歩くときには,足のつま先を上げたり下げたりしているそうです。そこで,どのような体の仕組みで,上げ下げできるのか,図かんで調べました。 図かんの続きには,足のつま先を上げている様子を表した図がのっていました。 ①ふくらはぎから足のつま先の 部分の骨を見ると,図の○の ように,曲がるところには骨が 分かれているつなぎ目の部分が ありました。 このような骨のつなぎ目の部分を何と 言いますか。右の□に書きましょう。 ②図かんにのっていた図は㋐~㋓のうちどれでしょう。 選んだわけを「骨」「筋肉」という言葉2つを使って,書きましょう。 ㋐ ㋑ ㋒ ㋓ 足のつま先を上げている様子の図は・・・ わけ 図3-12を見ると正しい図を選べた子どもが31%,誤った組合せを選んだ子どもが69%であった。正しい図を選べた子どもが半数にも満たなかった。しかし,授業実践での子どもの様子や研究協力員の子どもの見取りを考えると,半数以上の子どもが誤答になるとは考えにくい。そこで,このような結果となった要因を考えると次の2つが挙げられる。1つ目は,子どもが腕の動く仕組みで学んだことを足に適用させることができなかったと考 骨と骨のつなぎ目の 部分を という。 図3-12 「私たちの体のつくりと運動」の記述の分析結果 えられる。2つ目は,問題文から足のつま先の上げ下げと筋肉の動きをイメージすることができなかったのではないだろうか。問題には足のつま先の上げている様子しか示されていない。そのため,下げている様子をイメージしたり,すねやふくらはぎの筋肉が足の骨のどの部分につながっているか分からなかったりしたと考えられる。そのため,子どもが腕の動く仕組みを足の動く仕組みに適用できなかったと考えるより,作問に課題があったと考えられる。 そこで,図3-11を返却する前に,論述確認テストを修正し,新たに作成したものが次頁図3-13である。 小学校 理科教育 18 この図3-13の新たに作成した論述確認テストは,子どもらが足のつま先の上げ下げの動きをとらえることができるように配慮して作成した。 <論述確認テストの結果> ①の問題に対して,正答率は95%と図3-11の論述確認テストと同率の結果であった。次に,②の問題に対する子どもの記述の分析結果を次頁図3-14に示す。 図3-14を見ると,正しい図を選べた子どもが69%となり,その内訳を見ると完答となった子どもが28%,準正答である事実や証拠に基づいて表現できた子どもが10%となった。さらに,正しい図を選べたが,事実や証拠が不明瞭な表現やその他に該当する子どもが31%であり,子どもたちの実態として妥当性があるものと考えられる。そこで,完答や準正答に至らなかった子どもの記述を分析すると,事実や証拠に基づかず,自分の感覚で答えたり記述する際にキーワードを使わずに表現したりしていたことが要因である。そのため,次の授業実践では,改めて事実や証拠に基づいて思考,判断し,表現することを継続して指導していくことが大切であると分かった。 *太枠は問題に正対する主張を選択している解答

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