001総教C030705H30西村最終稿
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162 これらの振返りから,「動物の体は,筋肉と骨,小学校 理科教育 16 T このような三日月湖は,自然にできるものかグループで話合いましょう。 C1 だって,だんだん侵食と堆積でさ,曲がっていくんじゃない。 C4 何でここが曲がるの? C1 (昔の写真を指差して)ここ(カーブしている部分)がちぎれて,移動していったんじゃない? C3 じゃ,自然にできるでいいよね。 C1 そうだね。なぜなら,侵食と堆積して川が曲がっていって。 C4 下の写真のカーブの所のこと? C1 そう。この昔の写真の方のここの部分。 C3 カーブが曲がって,どんどん曲がる? C4 侵食されるなら,川がどんどん太くなるんじゃない?だから,川が移動するわけじゃないんじゃない? C1 大きく曲がり続けていって,そうすると,川のカーブに水が流れがたえきれなくて,川が真っ直ぐつながった。 C4 川がそんなに大きく移動するかな? C1 長い時間かかれば,形が変わって移動してるように見え T では,時間です。 このように,写真の川の形から流れる水の侵食と堆積の働きを関係づけて,地形が変形したという考えをもって,話している様子がうかがえる。しかし,同じグループの中で,「自然にできた」と思っても,理由の違いから納得していない子どもるはず。 中で,子どもたちは流れる水のはたらきによって三角州ができることを理解することができた。そこで,「さらに検索すると三日月湖という湖も,流れる水のはたらきでできた自然の地形だ」との掲載があることを知らせた。次に,Google Mapにある三日月湖と琵琶湖の航空写真も提示し,比較した。三日月湖は,「湖が曲がっている」ことや「近くに大きな川がある」といった違いに気付くことができた。さらに,三日月湖ができる前の同じ地域の写真を提示した。すると,三日月湖がないことから,「どのようにしてできたのか」「本当に,自然にできるのか」等と疑問が生じた。その上で,「この三日月湖はめずらしい形をしているけれど,自然にできるものだろうか」と問いかけ,学習問題を「三日月湖は自然にできるのだろうか」と設定した。子どもたちは「自然にできる」という子どもが3分の2,「自然にできない」という子が3分の1だった。 そこで,グループで考える時間を設定し,意見をまとめさせた。以下にあるグループの話し合っている様子を示す。 けん,関節があるのは(人と)同じでも」や「人の体と動物の体はにているところもあるけれど」のような記述から,人の体との共通性に気づき,「進化の過程で生活や骨の形が違うこと」や「それぞれの生活に合わせてしんかしていくこと」などからは多様性に注目して考えた様子がうかがえる。このような考えに至ったのは,複数の動物を観察したこと,指導者の問いかけが効果的であったからだと考えられる。 (2)第5学年「流れる水のはたらき」における実践 <学習のねらいや手立て> 本単元における適用場面として,三日月湖ので き方を考え説明する学習を行った。子どもたちはこれまでに流れる水のはたらきや降水時の川の様子について学習している。三日月湖ができる要因の1つとして,流れる水の侵食・運搬・堆積作用による地形の変化がある。子どもたちは川岸や川原の石などが流れる水のはたらきによって変化することは理解しているものの,そのことが地形を変えているという理解には至っていないと考えた。そこで,三角州ができる様子を話し合うことで,流れる水によって地形が変わることをとらえさせる。その上で,三日月湖も流れる水のはたらきによってできるか考えられるようにする。しかし,地形が変わることをとらえても,どのように考えていけばよいか見通しも立てられないことが考えられる。そこで,三日月湖の周辺と身近な琵琶湖などの周辺をGoogle Mapの航空写真を使い,比較する。これにより三日月湖の周辺には大きな川が並行するように流れていることや川の一部のような形になっている事実をとらえることができるようにする。そして,三日月湖ができる前の川の同じ地域の写真も提示することにより三日月湖になる前の川の様子もとらえることができるようにし,考えていく手立てとした。また,1人ではなかなか考えを構築することが難しいため,グループで協同して考えるようにし,そこではワークシートを用いることで,科学的な根拠に基づいてまとめることができるようにした。 <授業の実際と子どもの様子> 授業では,インターネットを検索すると流れる水のはたらきで三角州という地形ができるという掲載があったことから,三角州のでき方について子どもとのやり取りの中で確認した。やり取りの

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