001総教C030705H30西村最終稿
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C2 ぼくもAがより下流の石だと思いました。理由は, T どうして苔がついていると上流と言えますか? C3 苔は上流でも下流でもつくと思うから,それでは T そうだね。 C2 ちょっと考えます。 C4 ぼくはAの石だと思います。理由は,流れてくる C5 ぼくはAの石がより下流だと思います。理由は, T そういえば,C6さんも同じように考えていたけれ C6 私はAの石だと思って,理由は上流より下流の方 C7 私もAの石の方が下流だと思います。なぜかとい これらの発言から,予想する前にAの石とBの石の実物を比較し違いをとらえたことで,その事実や証拠に基づいて思考している。さらに理由付けでは,流れる水のはたきによるきまりや性質等を関係づけた表現ということが分かる。本時における事実や証拠,主張と理由の関係を明確にした手立てにより,第5学年の予想場面においても事実や証拠に基づいて思考・判断し,表現することがで 158 T どちらがより下流の石だと思いましたか? C1 ぼくはAだと思って,A(の石)とB(の石)では,A (の石)の方が小さくて下流に行くほど,強い流れで侵食されて小さくなっていくと思ったからです。 Bは苔や土とかがついていて,川のにおいがするし,Aの石は苔がついていなくて,(表面が)サラサラで,見た感じ下流の石だと思いました。 言い切れないと思います。それに,川のにおいも,どっちの石も川のものだから判断できないと思います。 ときに削られて,丸くなると思います。何かほら,Bの石はチクチクとがっています。 前の実験で上流の方が流れが速いと分かったから,Bのゴツゴツしている石は,それで,削られたから。Aは丸っこいし,下流はそんな削ってなかったから,Aの方が下流だと思います。 ど,どうですか? が水の流れが遅いので,流れが速い方がより削られ,Bの石がゴツゴツしたり,尖っていたりしているからAの石の方が下流だと思います。 うと,同じ川の石でも大きさが,Bの石の方が大きいし,Aの方が小さいし,なんかあの,侵食で削られてきたんかなと思って。それで,上流から流れてきた石が,ずっと削られてAの石みたいな形になったと思ったからです。 下流の石はAとBのどちらかを主張していく上で理由を加えることを指示した。このように,それぞれの関係を明確にした後の,話合いの様子を以下に示す。 小学校 理科教育 12 きたと考える。 (3)第4学年「ものの温度と体積」における実践~考察の場面~ <学習のねらいや手立て> 本単元の「温度と空気の体積の関係を調べる」学習の授業実践について述べる。この学習は,本章第1節(1)で問題意識を醸成した後の学習である。フラスコの口がどのような向きであっても栓が飛んだ原因を追究していく場面である。出合いの事象ではフラスコに空気と水が入っていたが,思考を整理していくために,空気と水を分けて考えていくようにした。そこで,本時の学習では,空気だけに視点を絞って学習するが,空気という目に見えないものの変化を調べていかなくてはならないため,出合の事象で扱ったフラスコ栓が飛ぶ一瞬の出来事では温めた空気に何が起こったのかをとらえることは難しい。そこで,空気の体積と温度の変化をとらえやすくするために,フラスコの口に石鹸膜を張ることで空気の体積変化を視覚化した。また,「何がフラスコ栓を飛ばしたのか」という学習問題に沿って思考していくため,冷やした時の空気の体積変化は結論導出後に学習するような展開を考えた。これらの手立てにより子どもが空気が温められた時の体積変化を理解すると同時に,事実や証拠に当たる部分をとらえることができるようにした。そして,本時ではガイダンスで示した思考を可視化した関係図をワークシートにして活用することで,実験で調べた結果を科学的な根拠として思考することができるようにした。 <授業の実際と子どもの様子> 授業では,実験を通し「温めると石鹸膜が膨らんだ」や「お湯を入れた袋で包むと石鹸膜が膨らみ,袋を離すと膜がしぼんだ」「袋を離すと元の大きさにもどった」ということを確かめることができた。このことは,空気が温められると体積が膨張していく様子が視覚化され,分かりやすくなったからであると考える。そこで,学習問題である「何がフラスコ栓を飛ばしたのだろうか」を改めて問いかけ,個人で考えを整理する時間を設定した。そのとき,学習問題に対して,科学的な根拠に基づいて思考・判断し,表現するためにワークシートを配布した。そのワークシートを使って記述したものを次頁図3-5に示す。 図3-5を見ると,「空気がロケットを飛ばした」という主張を「石鹸膜が膨らんだ」という結果を

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