001総教C030705H30西村最終稿
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ミツバチを飼っていると, 154 イチゴをビニールハウスで栽培している農家の中には,ビニールハウスの中でミツバチを飼っている農家があるそうです。よし子さんは,どうしてビニールハウスの中でミツバチを飼っているのか不思議に思い,ビニールハウスの中のミツバチの様子を観察してみました。すると,イチゴの花にみつを吸いに来たミツバチのおしりに,たくさんの黄色い粉のようなものがついていることに気づきました。 ①ミツバチのおしりについている黄色い粉は,イチゴの花から出たもののようです。この黄色い粉は何ですか。 ②よし子さんとりか子さんは,どうしてミツバチを飼っているのか話し合いました。 りか子さんとよし子さんの意見のどちらにさん成できますか。また,選んだわけを書きましょう。 図2-5 論述確認テスト問題の例 単元末に設定し,解答させることで,科学的な思考力・判断力・表現力等の育成ができたかを見取っていく。第5学年「植物の実や種子のでき方」の学習において,図2-5のような論述確認テスト問題を設定した。 図2-5のように,課題の前半では日常生活で見られる事実(知識)を問う問題を,後半において,その事実を根拠として自然の事物・現象を解釈・説明させる問題をそれぞれ設定している。この,後半部分にあたる解釈・説明する問題において,先述した科学的な論述を用い,事実や証拠に理由を加えて主張ができるかを評価の基準としている。評価の基準については,表2-4に示す。 表2-4 科学的な思考・判断・表現等の評価基準 以上のように,新たな場面での問題を出題し,<りか子さん> ミツバチを飼っていると,ミツバチが すったみつをイチゴに分けてくれて, おいしくなるんじゃないかな。 たくさんイチゴの実ができるんじゃないかな。 「事実」「主張」とそれにつながる「理由」が十分満足 記述されている。 「主張」に対し「事実や証拠」か「理由」のい概ね満足 ずれかの要素が記述できている。 「事実や証拠」「主張」「理由」のいずれか1努力を 要する つの要素のみの記述や,表現の一貫性が見られない。 評価基準 <よし子さん> 小学校 理科教育 8 (5) 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編」 (株)東洋館出版社 2018.2.28 p.12 (6) 前掲(4)pp.17~18 (7) 国立教育政策研究所 「平成30年度全国学力・学習状況調査 調査結果資料 【指定都市別 京都市】問題別調査結果京都市-児童(公立)理科」 http://www.nier.go.jp/18chousakekkahoukoku/factsheet/18prefecture-City/512_kyoto/index.html 2019.3.1 (8)(9) 前掲(7) (10)森本 信也 「子どものコミュニケーション活動から生まれる新しい理科授業」 ㈱東洋館出版社 1996.8.20 (11) 前項(9) pp..86~87 (12) 村山 哲哉 「小学校理科 『問題解決』8つのステップ-これからの理科教育と授業論-」 ㈱東洋館出版社 2013.11.28 p.26 (13)文部科学省 「小学校理科の観察,実験の手引」 2011 p.15 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/01/12/1304649_1_1.pdf 2019.3.1 その記述した解答を見取っていくことで科学的な思考力・判断力・表現力等が育成できたかを見取っていくこととする。 本研究では,京都市立小学校2校(以下「A校」「B校」)で行った授業実践を行った。対象学年は A校第4学年,B校第学5年である。本市は大日本図書の教科書を使用している。 第1節 指導者の問いかけと問題意識の醸成 (1)第4学年「ものの温度と体積」 ~教材・自身との対話に重点を置いた実践~ ア 導入時のねらい この単元は金属や水,空気の体積は温めると膨張し,冷やすと収縮すること,その体積の変化の様子は金属や水,空気によって違いがあることを理解する学習である。この単元は,第4学年での金属や水,空気のものの性質について学習する内の1つである。そこで,本単元で問題意識を醸成するにあたり,まず,単元のつながりを考えた。本市では「ものの温度と体積」の学習の前に,「とじこめた空気や水」を学び,本単元の後に「ものの温まり方」を学んでいくという単元の配列になっている。そこで,単元配列を入れ替えることで第3章 研究実践について

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