001総教C030705H30中澤最終稿
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図1-8 研究構想図 児童が「わくわく」感を共有するものとして, 第1節 児童のやる気を維持し高めるために 第1章で,「わくわく」感を維持し高めるための2つの工夫について述べた。第1節では,なぜそれらが必要なのか,またそれらを取り入れてどのようにして「わくわく」感を維持し高めていくのかについて述べていく。 (1)学級活動とその他の教科等との関連付け 学級活動とその他の教科等と関連付けて「学級わくわく大作戦」の計画を立てていくことは,新学習指導要領総則の「カリキュラム・マネジメント」の重要な側面の1つである「教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科横断的な視点で組み立てていくこと」(12)にあたる。また,新学習指導要領解説特別活動編では,特別活動について「各教科等で育成した資質・能力について,実践的な活動を通して,社会生活に生きて働く汎42 小学校 特別活動 6 (1) 赤坂真二「学級を最高のチームにする極意」明治図書 2013.2 p.25 (2) 白松賢「子供の生活や学習の基盤をつくる学級経営の充実」『初等教育資料平成30年5月号』東洋館出版社2018.5 p.8 (3) 文部科学省 「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 特別活動編」東洋館出版社 2018.2.28 p.43 (4) 前掲(3)pp..46~47 (5) 前掲(3)p.48 (6) 京都市教育委員会「平成30年度 学校教育の重点」 京都市教育委員会 指導部 学校指導課 2018 p.3 (7) 文部科学省「生徒指導提要」教育図書 2010.11 p.1 (8) 文部科学省 「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 総則編」東洋館出版社 2018.2 p.99 (9) 前掲(3)p.31 (10) 前掲(3)p.31 (11) 脇田哲郎「自発的,自治的な活動を中心とした学級経営の充実」『平成29年版 小学校新学習指導要領ポイント総整理』東洋館出版社 2017.12 p.113 に挙げる児童のやる気を育む3つの視点を活動の中に取り入れることである。視点の1つ目は,意思決定や合意形成の場をつくる,2つ目は自己存在感や自己有用感を得られる場をつくる,3つ目は,共感的な関わりするである。詳しくは第2章で述べていく。 このようなことから,学級集団づくりにおいて,学級活動は重要な役割を果たすと考える。 (3)2年次の研究 「はじめに」で「わくわく」感が生活にプラスの影響を及ぼすと述べた。何かわくわくするようなことがあると,自然と表情が柔らかくなり人に優しくなったり,学習や運動へのやる気が出てきて,進んで取り組むことができるようになったりすることがある。もし,「わくわく」感を学級で共有できれば,児童同士のつながりが強くなり,さらには学級全体がやる気に満ちた集団になると考え,本研究の学級集団づくりに活用していくこととした。このように児童の「わくわく」感を活用した学級集団づくりを「学級わくわく大作戦」と命名する。図1-8は,本研究の構想図である。 学級活動(1)の集会活動を取り入れていく。集会活動がより楽しく充実したものになるよう,児童同士が話し合い,実践していく過程で学級集団として高まる。そして,それが学級目標や学年目標,さらには学校教育目標の実現,「主体性」や「社会性」といった児童が未来を強く生き抜くための資質・能力の育成につながると考える。しかし,活動の始めはわくわくし,やる気をもって取り組むが,徐々にそれが薄れてしまうといったことはよくあることである。そこで,児童のやる気を維持し高める工夫が必要だと考え,2つの工夫を取り入れていくこととした。1つは,学級活動とその他の教科等と関連付けて「学級わくわく大作戦」の計画を立てていくことである。もう1つは,次第2章「学級わくわく大作戦」の取組

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