図1-2 学級目標設定の際に意識したか 図1-2のように,「学校教育目標も学年目標も意識した」と答えた割合が50%だった。両方ないしどちらかを「意識した」との回答は,全体の84%を占める。この結果より,学校教育目標や学年目標を意識して学級目標を設定していくべきであると考える教員が8割以上いるということが読み取れる。 図1-3のように,70%が「児童と担任の思いを合わせて」設定したと答えていた。低・中・高学年別に分析すると,低学年では「学年の先生と同じ目標を設定した」38%や「担任の考えのみで設定した」19%というように,教員が設定する割合が57%と多かった。それに対し,高学年では,前者が5%,後者が2%の合計7%と教員のみで設定する割合が低かった。低学年では,児童の発達段階を考慮し,教員が設定する割合が多いと考えられる。また逆に,高学年では学級目標に児童の思いを汲み入れることが多いと読み取れる。 38 ではないかと考えた。 実践を行う中で,いくつか課題も見られた。活動の中で達成を目指した学級目標が,児童にとって目指していきたいと感じるものになっていたかということである。学級目標実現を目指していくということは,学級経営上必要なことであると考えるが,その意義を考えた上でもう少しアプローチの仕方を変えていきながら,児童が進んで実現を目指していけるようにする必要がある。また,学級の目標達成に向けての自分の目標をそれぞれが考えていく必要があったと考える。そうすることで,個々が目標を目指してがんばることが,学級の目標達成につながるという意識を持つことになったであろう。1年次の課題を踏まえ,学級目標へのアプローチの仕方,個人目標の設定等,学級目標の在り方についてまとめていく必要があると考えた。 次に,時間の使い方についてである。実践の中では,話合い活動の進め方などを理解するまでに,多くの時間が必要となった。しかし実際は,年間35時間(第1学年34時間)の学級活動のうち,これらの活動にあてることのできる時間は限られている。そこで,学級活動と他教科等を関連付け,限られた時間をより効率的かつ効果的に使うことができるよう見通しを持って計画していくことが必要だと考えた。2年次は1年次の実践を生かし,課題を改善していく。 第2節 学級目標や学級活動に関する調査から (1)学級目標や学級活動に関する調査と分析 1年次の研究より,どのように学級目標を設定すれば児童が主体的に達成を目指していけるのか,また設定した学級目標が形骸化しないようにするにはどうすればよいのかを調査し,方法を整理する必要性を感じた。さらに,児童の話合い活動の時間は,きちんと確保されているのか調査を行う必要性も感じた。 そこで,本市採用5年目研修会に参加した教員を対象とした調査を行い,93名から回答を得た。調査では,1年間を通した実践についての調査であったため,設問のすべてが前年度の実践についての回答を求めるものとした。 まずは,学級目標の調査についてまとめていく。右の図1-2は,「学級目標を設定した際に,学校教育目標や学年目標を意識して設定しましたか」という設問に対し得られた回答である。 図1-3は,「昨年度,学級目標をどのように設定しましたか」という設問に対し得た回答である。 次に,設定した学級目標が形骸化していないか,図1-3 学級目標設定の仕方 小学校 特別活動 2
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