001総教C030705H30中澤最終稿
24/26

58 活動が進むにつれて徐々に達成できたと答える児童が増えていたことが分かる。児童の自己評価であるので,個々のめあてが本当に達成できているのか見取るのは難しいが,少なくとも児童は徐々にめあてに対する意識が高まったと言えるだろう。これらは,児童が意識しながら取り組むことができるよう研究協力員が促されたことやがんばりに共感する関わりを行われたためである。また,児童の感想を見ると,内容にも変化が見られるようになった。 表4-1は,1人の児童の振返りの変化である。 表4-1 振返り記述欄 GAKKYU 1回目の活動では,めあて①の「人の意見をしっかりと聞く」の達成に向けて重点的に取り組み,2回目と3回目は,めあて②の「みんなで協力する」の達成を目指していることが分かる。感想に着目すると1,2回目は,やや抽象的な内容になっているが,3回目では「協力する」ということを「みんなで意見をぶつけ合う」と具体的な行動に捉え 直し,目指していたことが分かる。これは,活動が進むにつれて,児童のめあてへの意識の向上がしたからだと考えられる。 また「わたしは,『学級わくわく大作戦』の目標が達成できたと思う」という項目では,9割を超える児童が肯定的な回答を行った。目標の一つである「自分で決めたことを最後までやりとげよう」は,自分の役割や準備について自分たちで決めたことだから最後までがんばろうという意識を持って取り組んでいたという面から,達成できていたと言えるだろう。研究協力員の方は,途中で準備が滞っているグループもあったが,他のグループのがんばりに触発されて,徐々に声を掛け合い動くようなる姿や,普段の休み時間はすぐに遊びに出ていく児童も,進んで声をかけ協力して準備をする姿が見られたと述べられていた。フェスティバル後の後片付けにおいても,最後まできっちり動く姿が見られた。さらに「一人一人が活躍するフェスティバルにしよう」という目標については,一人ずつお店を準備する役割があり,かつ 集会活動の内容をオリンピックにしたことで,児童の活躍の機会が増えていたため児童の肯定的な回答が増えたと考えられる。また,いろいろな児童が活躍できるよう研究協力員の方が促されため,その機会はますます増した。 A校の学級目標は「Go three No.1 (努力・協力・全力)~はばたけ未来へ」であるが,「学級わくわく大作戦」の活動を通し「努力・協力・全力」のどの姿も見られたと言えるので,この取組で学級目標実現に近づいたのではないかと考える。 (2)B校について B校において「わたしは,フェスティバルが成功したと思う」という設問に対し,70%の児童が「あてはまる」と答え,30%の児童が「どちらかというとあてはまる」と全員が肯定的な回答であった。図4-3は,その理由の中の頻出度の高い語を表わしたものである。 B校においても「みんな」が高頻出であり,他者を意識することができていたことが分かる。B校の「学級わくわく大作戦」の目標である「一人一人がかがやき,みんなで協力して楽しむ」の「協力」が高頻度であり「かがやく」「楽しむ」も出てきたことから,児童は目標を意識して取り組んでいたことも分かる。また,図の左側には「めあて」「達成」という語の頻出度が高く,自分のめあてを達成することが成功につながったと感じていることが見取れる。実際に「わたしは,自分のめあてを達成できるように取り組んだ」かの問いに対するB校の回答では,95%以上の児童が肯定的な図4-3 学級の目標が達成できたか B校 小学校 特別活動 22

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る