001総教C030705H30中澤最終稿
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図3-24 学級アンケートF児 図3-23 学級アンケートA児 図3-23から,A児は全項目が上昇もしくは同じであった。中でも,「学校が楽しい」や「このクラスでよかった」という項目は2ポイント上がり,肯定的な意見となった。A児は,自分のアイデアを生かしながらお店の準備をしていた。準備の際は,友達とのトラブルもあったが,研究協力員の方が児童のそれぞれの思いを共感的に聞き,解決していかれたことで集会活動当日はとてもよい笑顔で取り組む姿が見られた。それが「楽しい」「このクラスでよかった」といった結果につながっていると考えられる。「クラスの役に立っている」と いう項目の上昇は見られたものの,やや否定的な意見であったが,集会活動後の感想は「自分の役割を果たせた。笑顔になっている人がいた」と書いていたことから,自分の役割を果たしたことで友達が喜んでくれたと考えられるようになったのではないだろうか。 56 級わくわく大作戦」が充実した活動となり,その楽しさが学校へ来ることの楽しさにつながったと考える。 では,活動前で取り上げたA児とF児にはどのような変化が見られただろうか。図3-23はA児の学級アンケートの結果である。 次頁,図3-24はF児の学級アンケートの結果を表したものである。 図3-24のF児についても「学校が楽しい」という項目に関して,3ポイント上昇が見られた。「このクラスでよかった」という項目は1ポイント下がったが,肯定的な意見であったので,それほど差異はないことが考えられる。F児は,集会活動当日の司会にチャレンジするなど終始やる気をもって活動に取り組むことができていた。また,集会活動当日では,研究協力員の方がF児の活躍を 一緒に喜ばれたことで,児童の表情がますます明 るくなっていった。そして,それが「楽しかった。ありがとう」と,お客としてお店を回る際の友達への共感的な声かけにつながったと考えられる。最後の感想では,「司会ができた。みんながわくわくしていたからよかった」と書いていた。感想からは,司会をやりとげたことで自信につながったのではないかと考えられる。 (2)B校について B校では,自己中心的な考えの児童がいて,相手の気持ちを考えて行動することに課題があるという実態を研究協力員の方が述べられた。事前の調査においても「相手の気持ちを考えて行動する」の項目が他の項目より落ち込んでいた。 図3-25は,B校の学級アンケートの結果である。 図3-25 学級アンケートB校 「相手の気持ちを考えて行動している」という項目が一番上昇している。それは,話合い活動の経験が深く関係しているのではなかろうか。B校では,話合い活動時に意見の対立があり,まとめていくのに苦労した経験があった。しかし,それぞれの思いを伝え合い,最終的に合意形成に至ることができた。話合い活動後の振返りでも「時間はかかってどうなるかと思ったけど決まったよかった」「いろいろな意見が出てよかった」「嫌なこともあったけど決まってよかった」などの記述が小学校 特別活動 20

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