001総教C030705H30中澤最終稿
21/26

図3-22 学級アンケートA校 ほとんどすべての項目に上昇が見られた。特に,10月に否定的な回答をした児童が多かった上記の二項目については,0.5ポイントの上昇が見られた。半数以上の児童が肯定的な答えを選択したことになる。「自分は学級の役に立っているか」という項目の上昇が顕著だったのは,集会活動実践に向け自分の役割をしっかり果たしたことがみんなを楽しませることにつながったと思えたことからだと考える。また,振返りの際の「がんばったとこ見つけ」で友達からがんばったことを認めてもらう経験をしたこともこれにつながったと考える。また,「学校が楽しい」という項目の上昇は,「学 図3-8のように,めあてを書いて振り返ることができるようにした。めあて作成時は,児童が1週間やる気をもって活動に取り組むことができるよう一人一人にコメントを書いていった。心と体のつながりを実感するためにワークシートでは,寝起きの様子をチェックできる欄を設けた。結果,児童のチェック欄を見ていると必ずしもめあて達成が寝起きの様子につながっていない児童がいた。しかし,1週間チャレンジした後の感想から,生活改善につながった児童が多くいることが分かった。以下はその例である。 他にも,自分で決めたことを実践することが,生活改善につながっていたと気付く記述がたくさんあった。 また,保健を関連付けたことで,授業中の児童の発言から,保健で学んだことを生かす発言が出てきていた。さらに,同期間に同じような学びがあることで,児童が生活習慣の見直しに向きあおうとしていたと感じた。 保健の「心の健康」の単元の学習の際には,3つの視点の1つである「自己存在感を感じられる場を設定する」視点を取り入れた。第2時では,「心と体のつながり」についての学習を行う。その中で,心の健康を保つ方法の一つとして,自分のよさに気付くということが教科書でも取り上げられている。そこで行ったのが,「いいとこ大発見」である。図3-21はその際に使ったカードの一部である。 ・宿題を先にしておくと後でゆとりが出て早く寝ることができた。 ・ゲームの時間を減らして早く寝ると,朝前より起きやすくなった。 小学校 特別活動 19 図3-10のように,短時間で行えるようにいくつかの項目の中から,グループの友達のよいところにあてはまるものを3つ選んで渡すという方法をとった。ここでは,教員が共感的に関わっていくことも児童の自己存在感の高まりにつながると考え,事前に研究協力員の方にも児童の全員分の よいところを選び,カードに書いて渡してもらった。学習の様子を観察していると,どの児童も意欲的に取り組み,もらったカードを見て喜んだり「ありがとう」と言ったりする様子が見られた。また,友達からカードをもらい自分のよさに気付く児童もいた。 第3節 児童の活動後 活動後には,活動前の見取りで行った学級に関するアンケートを行った。 (1)A校について A校では,事前の学級アンケートでは「わたしは,クラスの人の役に立っていると思う」「わたしは,学校に来るのが楽しいと思う」に肯定的な意見を選んだ児童が半分を割っていた。図3-22は,事前(10月)と事後(12月)の結果をまとめたものである。 55 図3-21 いいとこ大発見シート

元のページ  ../index.html#21

このブックを見る