001総教C030705H30中澤最終稿
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図3-13 話合い活動シート い支援した。それにより,児童は複数の意見を1GAKKYU つにまとめたり,よりみんなにとってよいものを探ったりしながら最終的に合意形成に至ることができた。 ・うまくいかないこともあったけど,次はも ・全然決まらなくてどうなるかと思ったけど, ・いろいろな意見が出てよかった ・決まったことなどをしっかりがんばってや 話合い活動を終えた後,ある児童が研究協力員の方に「先生,今日の学級会とても楽しかった」と伝えに来た。普段はそのようなことをわざわざ伝えに来ることのない児童であったが,みんなが活発に意見を出し合い,自分たちで決めていくことに楽しさを感じ伝えたくなったと推測できる。また,その他の児童の振返りには次のような記述があった。 っと意見を出したい みんなで決めてうれしかった りたい みんなの意見をまとめていくことの難しさに気付いたり,みんなの力で決められた喜びを感じたりする児童がいて,それらが次の活動のやる気につながっていた。 図3-14 学級わくわく大作戦の流れ 予定の他に話合いで決まったことなどを書き入れておき,見通しがもてるようにした。また,必要な道具を事前に聞いておいて準備をするなど工夫をした。さらには,児童が使いたいときに使いたい道具を使うことができるように,あらかじめ準備しておく工夫もあった。 小学校 特別活動 15 (3)準備 集会活動に向けての準備は,授業時間だけではなく,休み時間などを児童が有効利用し行っていく。しかし,遊びに行きたい児童と準備を計画的に進めたい児童でトラブルが起きたり,教員が何も言わなければ全く進まないグループがあったりすることが予想できた。しかし,ここで教員が促すのではなく,児童が自分たちで決めて行うことが,活動のやる気につながると考えた。研究実践校においては,児童が自分で決めて活動をするための様々な工夫があったので紹介していく。 まずは,児童が見通しをもって活動することができるよう環境整備を行った例である。図3-14は,課題把握の際に利用した予定表を拡大し,教室掲示したものである。 その他の例として,次頁,図3-15は,児童の登校前に研究協力員の方が,児童のやる気を育むために黒板に書いたメッセージである。 実際にこのメッセージを書いた日の朝休みはほとんどの児童が一生懸命準備を進めていた。このように,直接準備することを促す内容にするのではなく,がんばっているグループを認める内容にしたことで,児童のやる気を育むことができた。 また,直接言葉にするのではなく,メッセージとして書くことで,言われたからやるというのではなく,自分で決めて準備を行っているという意識が児童にうまれ,それがやる気につながった。 51

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