001総教C030705H30中澤最終稿
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この声かけでは,児童のがんばりを研究協力員の方が自分のことのように喜ばれることで児童の次のやる気を向上させたと言えるだろう。このような声かけを毎回の活動ごとに繰り返すことで,この結果を見ることが楽しみになり,そのために自分のめあてを意識しながら取り組む姿が見られた。また,振返りを繰返す中で,自分のめあてがある程度達成できたら,さらにその範囲を広げて達成を目指す児童が出てきた。図3-11はその例である。 できると考えたためである。 そして,個々の頑張りを集計し,学級全体のめあての達成度としてグラフに表わした。図3-10はそのグラフである。 個人のめあては「積極的に行動する」と設定した。11月15日ではその範囲が「自分の役割を果たすこと」に留まっていたが,それが達成できると,次はその範囲を自分の仕事以外に広げ,グループの活動がスムーズに進むよう,他のメンバーを助ける姿が見られるようになった。これは,活動していく中で,「自分は自分たちである」という意識が高まったと考えられる。 ルの直前にも関わらず準備が完璧に終わって 図3-9 個人のめあてチェックシート 図3-10 めあて達成度グラフ これは,チェックシートの「できなかった」を0ポイント「できた」を4ポイントとし,その学級平均を児童に分かりやすいように100%換算したものである。それにより,自分のがんばりが,学級のめあて達成度として反映されていることや,他の児童もがんばっていることを知ることができるようにした。これらのグラフは,児童が進んでめあての達成に向け,意識しながら活動していく原動力とするために,教室に掲示していき,変化が分かるようにした。そして,活動の前にこのグラフに立ち返り,自分の目標をもう一度確認して活動に入るようにした。前述したように,ここで大切なのが,教員による声のかけ方である。児童の意欲を駆り立てるよう工夫が必要である。下記のような声かけが研究協力員の方から何度か出てきた。 T:今回は,85.5%も達成できて先生はうれしい です。一人一人ががんばっているから,学級 全体のがんばりにつながっているね。 次はどうなりそう? S:90%かな やっぱり100%やね(口々に言う) T:100%に近付くにはどうしたらよい? 前述のめあての達成度は下がることもあった。B校では,フェスティバル直前に達成度が下がってしまった。その際に研究協力員の方は,以下のように声をかけられた。 今回の達成度が下がったのはフェスティバ49 図3-11 振返りシート 児童記述 小学校 特別活動 13

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